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百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

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最終話 ボクのおパンツをばらすなよ!!

 覆面司会者を睨みつつ、工藤珠希は多くの者がブルマに投票した結果を受けて明日からブルマを穿くことをやめようかと検討していた。

 だが、おパンツを見られるよりはブルマを見られるという事の方がまだマシなのかと思うと、その決断が正しいのか迷ってしまう。


 アンケートの結果を見て栗宮院うまなもイザーも多くを語ることはないのだけれど、それぞれに思うところはあったようで、なぜかお互いに握手を交わして健闘をたたえ合っていたのだ。その光景を見て覆面司会者も拍手をしていたのだけれど、どうしてそこまで感動的な事としてとらえることが出来るのか工藤珠希には謎であった。


「ところで、ボクの動画をいつの間に撮ったのか説明してもらってもいいかな?」

「いつの間にって言われても、俺はちゃんと珠希ちゃんに撮影するよって許可をとったよね?」

「そんなこと覚えてないんだけど。いつ?」

「試しにブルマを穿いた次の日の朝だったと思うよ。朝ご飯を食べてる時にちゃんと穿いてるか聞いた時に撮影していいか聞いたよね?」

「そう言えばそうだったかも。でも、それってちゃんと穿けてるかの確認で撮ってたんじゃないの?」

「違うよ。先生たちから小中学生にも見せられる程度に珠希ちゃんの普段の様子を撮影して欲しいって言われてたから撮ったんだよ。その事はちゃんと伝えたはずだけど。珠希ちゃんもノリノリで協力してくれてたよね?」


 初めてブルマを穿いた翌朝、工藤太郎に撮影をしていいかと聞かれたことは確かだった。

 だが、それはあくまでも工藤太郎が個人的に楽しむためのものだと思っていたので許可をしたというだけの事である。誰かに見せるためだとわかっていたら、あんなに楽しそうに見せたりなんてしていなかっただろう。


 いや、最近の自分の行動を鑑みると、ブルマを穿いているからという理由だけで以前よりも無防備な行動をとっていることが多かった。それを思い返すと、あの時にノリノリで撮影に応じていたのも不自然には思われないだろう。

 自分が工藤太郎に対して特別な感情を抱いているという事がバレないでほしいと工藤珠希は願っていた。


「それで、どうして太郎はボクのそんな姿をみんなに見せようと思ったわけ?」

「俺も色々考えたんだよ。みんなが見れない姿がいいんじゃないかって思ったんだけど、それだと教育上良くないこともあるんじゃないかと思ってね。お風呂上りに下着姿でウロウロしている珠希ちゃんとかみんなに見せられないし、寝ている姿を撮るのも良くないって思ったんだよ。みんなのために何が出来るか考えた結果、珠希ちゃんが嬉しそうにブルマを穿いている姿を撮ることに決めたって事さ」

「そんな爽やかに言われても納得出来ないんだけど」


 覆面司会者が気を聞かせて巨大なスクリーンに工藤珠希の映像が流れているのだが、全員の持っているタブレットにも表示されているのでタブレットを見ている者たちは皆歓喜の声をあげていた。

 工藤太郎のタブレットには感謝の声が続々と届いていた。


「まあ、済んだことは仕方ないとして、太郎はボクの事を撮影して何か感じた?」

「楽しそうだなって思ったよ。いつも楽しそうにしている珠希ちゃんだったけど、そんなにおパンツが見られないことが嬉しいんだって思ったね」


 欲しかった答えを貰えなかった工藤珠希は小さくため息をついた。少しだけ残念な気持ちを抱きつつも、工藤太郎が自分に対して特別な感情を抱いてくれないことは理解していたので納得はしていた。

 それでも、たった一言でいいので可愛いと言ってもらいたかった。と、工藤珠希は思っていたのだ。


「太郎ちゃんの撮影してくれたこの映像はとても素晴らしいね。全世界に公表したらどんなに話題になるんだろうね。ここで私達だけで楽しんでいいものなのか悩んでしまうよ」

「でも、珠希ちゃんのこの映像を公表してしまったら、世界中から零楼館に人が集まってしまうんじゃないかな。私たちは大人しく静かに暮らしていきたいし、珠希ちゃんのすばらしさを公表する必要も無いと思うね」

「それもそうだね。私達だけで珠希ちゃんの素晴らしさを分かち合えればそれでいいよね」


 工藤珠希の映像を撮影することが出来るのは工藤太郎ただ一人という事もあって、彼の撮影した動画は零楼館高校だけではなく小中学校、外部のサキュバスや宇宙人にも瞬く間に広まっていったのだ。

 愛らしくスカートをめくるその姿は小さな子供には刺激が強いのかもしれないけれど、スカートの中に穿いているのはおパンツではなくブルマである。

 その事が脳裏に焼き付き、今回のアンケート結果に結びついたのだろう。


 今回の映像の価値があまりにも高い事が工藤太郎の課外授業に影響を及ぼしたのかは定かではない。

 ただ、工藤珠希の映像を見た多くの者が、もっとより素晴らしい映像を期待していたのも事実なのである。


「でも、ちゃんとブルマを穿いてくれてて良かったよ。いつもの珠希ちゃんだったら大変なことになってたもんね」

「大変なことって、どういう事?」


 工藤太郎は小さな声で囁きかけていたのだが、その音声は高性能なマイクに拾われて全員が聞くことが出来た。

 工藤珠希と工藤太郎の秘密の会話を聞き漏らすまいと全員が集中した結果、お昼休みと同じように無音の空間が生み出されることになった。


「だって、あの時みたいにブルマからおパンツがはみ出てたら大変でしょ。みんなに珠希ちゃんが普段穿いているおパンツがバレちゃうことになっちゃうもんね。高校生にもなって、可愛いクマさんのイラストが描かれたおパンツがお気に入りなんてバレたくないよね」

「ちょっと、ここでそんなこと言わないでよ。うまなちゃんとイザーちゃんに聞かれちゃうかもしれないでしょ」


 その直後、工藤珠希がスクリーンに目を移すと、クマさんおパンツというコメントが無数に打たれていることに気が付いた。

 それを見た工藤珠希は顔を真っ赤にしていた。


「ボクのおパンツをばらすなよ!!」






 

 翌日から、工藤太郎はポイントネモでゴミ拾いをすることになったのであった。

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