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百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

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52/77

第52話 代表者会議と工藤珠希の下着事情

 全校生徒が工藤珠希の穿いている今のおパンツが気になる。

 クリーキーの遺した言葉によってその思いはより強固になったのだ。

 生前の評価と死後の評価が一変する者は多くいると思うのだが、クリーキーは評価自体は全く変わることはなかったが遺した言葉だけは多くの者に影響を与えていたのだ。


 今までは工藤珠希になるべくストレスを与えないようにしようという紳士協定があったのだが、クリーキーの言葉によって多くの者たちが工藤珠希のスカートの中を覗こうと階段下や更衣室に集まるようになっていた。

 そのような状況を重く見た学校側も対策を立てようと努力はしたのだが、覗こうとするものがあまりにも多く注意するだけでは何も解決しないという事態にまで発展していた。

 問題を解決するために全員をいったん殺して記憶を奪うという案も出たのだが、あまりにも現実離れしすぎているしドクターポンピーノにかかる負担が大きすぎるという事もあって実現には至らなかった。


 もちろん、全員の意識が変化したことに工藤珠希も気付いていたのだが、今までも完ぺきな対策をとっていた彼女にとって死角はなかったのだ。

 ただ、知らず知らずのうちに彼女の心はストレスをためていき、いつものような健康的な笑顔は次第に薄れていってしまっていた。

 学校側も何か特別な対策を講じようとしたのだが、今できることは工藤珠希専用の更衣室を作る事だけであった。

 工藤珠希専用の更衣室は最新の認証システムが搭載されており、工藤珠希が許可していない物が侵入したとしても理事長室へ転送されるようになっていた。イザーと工藤太郎の共同開発によってあっという間にシステムが完成したのだが、その原理は本人たちにもよくわかっていない。


「色々と対策はしてみてるんだけど、好奇心を抑え込むのは難しいよね」

「そういううまなちゃんもみんなと同じこと考えてるでしょ?」

「まあね。イザーちゃんもそれは同じでしょ?」

「うん」


 栗宮院うまなとイザーがお互いの意見をぶつけ合う事も毎日の恒例となっていたのだが、この日は工藤珠希にかかるストレスが軽減するにはどうすればいいのかという事で話し合っていた。

 その席にはサキュバス側とレジスタンス側から代表者が何名か参加しているし、当然教員も参加している。

 クリームパイとペタコン博士も参加し、様々な角度から意見を出し合って解決策を見出そうとしたのだ。

 だが、そんな彼女たちが集まってもコレと言って解決策は生まれず、お互いの思いをただただ吐露するだけの会になってしまっていた。

 そんなタイミングで工藤太郎がたまたま通りかかったのだが、工藤珠希の事を一番よく知っている彼であれば何か良いアイデアが出てくるのではないかと思い、この会議に参加してもらう事となったのだ。


「つまり、珠希ちゃんが穿いているおパンツを知りたいって事でいいのかな?」

「それはそうなんだけど、そうじゃないんだよ。いや、確かに珠希ちゃんが穿いているおパンツは気になる事ではあるんだけど、それを知ることはこの世の全てを理解することと同義になるんだよ。今の私達にはその事実を上手く受け止めることは出来ないんだ」

「そんなに重い話じゃないと思うんだけどな」


「ちょっと気になった事があったんで質問させてもらってもいいですか?」


 一般生徒のサキュバス代表として参加している小柄な少女が前髪で隠れている目を真っすぐに工藤太郎に向けていた。

 視線は合わないものの、何となく自分が見られていると感じた工藤太郎は少しばかり緊張しつつも身構えずにその続きを聞くことにした。


「質問って何かな?」

「あの、太郎さんは珠希ちゃんと一緒に暮らしているという事ですが、一緒の部屋で寝ているとか一緒にお風呂に入るとかはしてるんですか?」

「小さい時はそういう事もあったけど、さすがに今はそういう事はしてないよ。部屋も別々だしお風呂も順番に入ってるよ」

「そうなんですね。それでは、洗濯物も別々だったりするんですか?」

「洗濯はみんな一緒だね。それぞれで分けるのも大変だと思うし、いっしょに洗ってるってことを誰も気にしてないんじゃないかな。よく聞く思春期の女の子がお父さんの物とは別に洗ってくれって言うのも聞いたことないし。俺のも別にして欲しいって言われたことはなかったかも」

「そ、そうなんですね。ちなみになんですけど、太郎さんは家事を手伝ったりしてるんですか?」

「一通りは手伝ってるよ。朝と夜は料理も手伝ってるし、休みの日は掃除もしてるよ。珠希ちゃんの部屋を勝手に掃除する事は無いんだけど、手伝って欲しいって言われた時は手伝ってるね」

「じゃあ、洗濯もやったりするんですか?」

「休みの日だけになっちゃうけどね。とっても、乾燥が終わったのを畳むだけだったりするけどさ」


「もしかして、珠希ちゃんのおパンツも畳んだりしてるんですか?」

「それはしてないよ。何も言わなくても珠希ちゃんは嫌だと思うし、下着類は専用の箱に入れて珠希ちゃんの部屋の前に置いておくのさ」

「下着類って、おパンツだけじゃないって事ですか?」

「まあ、そういう事になるね」


 下着類という言葉に工藤太郎以外の全員がざわつき動揺している者もいたのだが、その事を見た工藤太郎は少しだけ失礼な人たちだと思ってしまった。

 全体的に小さい工藤珠希でもちゃんと身につけている。

 年齢的にも身につけていない方がちょっとおかしいと思わないのかなと感じたのだが、ブラジャーではないという事は言わずにいた工藤太郎であった。

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