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百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

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第51話 クリーキーの遺言

 工藤太郎を味方につけることでイザーとの戦いを優位に進めたいと思う栗宮院うまな。

 人数だけは圧倒している現状も、様々な状況を加味するとやや優勢としか得いないような現状なのである。

 まだまだ工藤珠希にはピンクのセクシーなおパンツが似合うと思っている人が多いのだけれど、工藤太郎と一緒にいる工藤珠希の言動を見ていると水色の可愛らしいおパンツも良いのではないかと考えるサキュバス達は存在していた。誰にでも優しい工藤珠希が工藤太郎に対しては少しだけ辛辣に当たることもあったりするし、そんな姿を見ていると工藤珠希もまだ幼さを残しているのではないかと感じるようになっているのだ。


 つまり、子どもから大人になろうとしている工藤珠希が背伸びをしてセクシーなおパンツを穿くよりも、身の丈に合っている可愛らしいおパンツを穿いている方が似合っているのではないかと考えている層が増えているのだ。

 だが、そんな子供っぽいところのある工藤珠希がセクシーなおパンツを穿いているというギャップに気が狂いそうになる層がまだまだ多いというのも紛れもない事実なのである。


 朝から晩までそのような議論が学校内のいたるところで行われているのだが、その議論は工藤珠希に気付かれないように細心の注意を払われていた。

 空気を読めないものが工藤珠希に直接どちらが良いのか聞きに行ったこともあったりしたのだけれど、その質問に彼女は答える事は無く必ず無視をされていた。その後も何日間か無視されてしまう事になるのだが、誰とでも気さくに話をしてくれる工藤珠希に無視されるという現実に恐怖を抱いてしまい、彼女に対して直接質問をする者はいなくなった。

 そして、いつしか直接おパンツの話を工藤珠希に聞かせることはタブー視されることになったのだった。


 だが、栗宮院うまなとイザーだけは毎日のように工藤珠希に対してどちらのおパンツが良いか聞いているのだ。

 無視されることもなく、邪険に扱われることのない二人を見ていて勘違いする者もいたりしたのだけれど、勇気を出して質問をしたものは無謀な挑戦をしたことを後悔するという結果に終わっていた。


 工藤太郎が帰ってきてから変わったことがもう一つあって、それは工藤珠希がスカートの下にブルマを身につけることになったという事だ。

 なぜジャージではなくブルマになったのか、それは栗宮院うまなとイザーに加えてクリームパイやペタコン博士の強い要望があったからなのだ

 クリーキーが空気を読めずにいたことも功を奏したという事になるのだが、工藤珠希としては校則で決まってしまった事を不服として毎日異議を申し立てている。

 もちろん、校則が撤廃されるという事は無かったのだ。



 工藤太郎が地球に帰還してきたことを祝う集会でも栗宮院うまなとイザーはお互いの主張を変える事は無かった。

 お互いの意見は尊重しているものの、最終的には自分の選んだおパンツの方が優れているというやり取りがいつものように続いていた。

 誰もが工藤珠希の穿いているおパンツの事が気になっている状況において、空気を読めないクリーキーが壇上へと上がりマイクをとって高らかに宣言したのだ。


「俺はお前に聞きたいことがある。誰もが気になっている事なので教えて欲しい。だが、俺の質問に対してお前は答える事は無いだろう。それでも、俺はここにいる全生徒や教職員、部外者のサキュバス達を代表して聞かせてもらう。工藤珠希、お前が今穿いているパンティーはどんなパンティーだ?」


 クリーキーがマイクを持ったときにスイッチをオフにすればこの事態は避けることが出来たと思う。

 少なくとも、彼の声量では前列にいる生徒にしか声は届かなかっただろう。

 それにもかかわらず、誰一人としてマイクのスイッチを切ろうとしなかったのは、クリーキーが自分たちの聞きたいことを聞いてくれるのではないかという期待感があったからなのだろう。

 彼の質問は見事に全員の期待にこたえた形になったのだが、当然その質問に対して工藤珠希は答える事は無かった。


「ごめんなさい。急に変なこと言って本当にごめんなさい。ほら、バカなこと聞いてないでさっさと死になさい」


 クリーキーの姉であるクリームパイが彼を止めたのは質問を全部言い終えてからしばらく経ってから出会った。

 本当にまずいと思って止めようとしたのであれば、クリーキーが壇上に上がった時点で止めるべきなのだが、クリームパイもまたクリーキーがすることに対してわずかに期待していたのであった。

 その期待には見事に答えてくれたクリーキーであったが、工藤珠希はその質問には答えてくれなかったのであった。


 クリームパイは工藤珠希が質問に答えるつもりが無いという事を確認してからクリーキーの首を折った。

 クリーキーの死は朝の風物詩になりつつあったので誰も気にしてはいなかったけれど、クリーキーの最後に残した言葉は多くの者の心に深く突き刺さったのだ。


“工藤珠希が穿いているおパンツはどんなおパンツなんだろう?”


 全校生徒の視線が工藤珠希に集中しているのだが、それはいつもの事なので工藤珠希がその意味が変わっているという事に気付いていなかったのだった。

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