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百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

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第39話 終わらない戦い

 工藤太郎の帰還が数日後に迫っていたのだけれど、栗宮院うまなとイザーの戦いは決着が付くことはなかった。

 いつまでも終わらなそうに見える二人の戦いを見ていた栗鳥院柘榴と鈴木愛華は少しだけ工藤珠希に近付いて戦いの様子を見守っていた。


「珠希ちゃんがどっちかの勧めるおパンツを選べばソレで終わりそうなんだけど、やっぱりどっちも選びたくない感じなのかな?」

「当然だよ。ボクは人に見られるためにおパンツを穿いてるわけじゃないし、自分が穿いてるおパンツを想像されるのも嫌だからね」

「そう言えば、着替える時も珠希ちゃんは鉄壁のガードで誰にも見られないようにしてるもんね。無理やり見ようと思えば見れるんだろうけど、サキュバスの子たちってその辺はしっかりわきまえてるみたいなんだよね。普段の行動を見てたら無理やりにでもタオルをとろうとしそうなのに、なぜか着替えてる時とか修学旅行の時のお風呂もよそよそしかったりしたんだよ。最初は私達レジスタンスものぞかれるんじゃないかって警戒してたんだけどね」


 今までの生活を振り返ってみると、工藤珠希に言い寄ろうとするサキュバスというのは栗宮院うまなとイザー以外にもそれなりにいたのだが、何か強引に事を運ぼうとする者はいなかった。

 目の前で繰り広げられている栗宮院うまなとイザーの戦いを見ていると、自分に対してあの力を使われてしまえば全く抵抗も出来ずに蹂躙されてしまうだろうと予想をしていた。

 だが、彼女たちは自分の力を行使せずにいたし、工藤珠希の意見を最大限に尊重もしてくれていたのだ。

 なぜそうなっているのかはわからないけれど、サキュバス達には何か秘密があるような気がして、少しだけ怖いと思ってしまった工藤珠希であった。


「イザーちゃんはほとんど反撃してないんだけど、うまなちゃんもいつもみたいに動きにキレが無いよね。普段のうまなちゃんってもっと相手の弱点とか死角を突く戦い方だったと思うんだけど、どこか調子悪いのかな?」

「調子悪いというか、うまなちゃんは幼児化しちゃってるからその影響だと思いますよ。不慣れなわりには攻撃パターンも何種類かあるみたいだし、見たことない道具もいっぱい使ってるよね。あの道具って戦いに使うモノじゃないと思うんだけど、その事がかえってイザーちゃんを困らせてるのかもしれないよね」

「元気なだけが取り柄の幼児化かと思ってたんだけど、元のスペックが高いから結構やれてるのかもしれないな。愛華ちゃんが幼児化したらあんな風には戦えなさそうね」

「そんなの当然じゃないですか。私はごく普通のか弱い女の子なんですからね。柘榴ちゃんと違って私は素手でサキュバスと戦おうなんて思ってないですし」


「それはたまたまそういう事があったってだけでしょ。それに、あの時は普通に戦わずにお話で解決したんだからね。普通の人間でそんなことが出来るのって私だけじゃないかしら」

「そうかもしれないけど、あの時の柘榴ちゃんって生き返ることが出来なくなるように体の内部から薬品で燃やせるって装置を持ってなかったっけ?」

「今はないけどあの時は持ってたよ。どこにしまったか覚えていないんだけど、たぶん先生の誰かに回収されてるんじゃないかな。あんな危険なものを気軽に家に置いておくことなんて出来ないしね」

「そんな物騒なモノを手にしたことがあるって方が驚きだわ」

「それって、ボクに使われたら死んじゃうやつかな?」

「珠希ちゃんが人間だったら大丈夫なやつだよ。人間には効かないように出来てるんだよね」

「でも、さすがにそれをココで今使うつもりはないんでしょ?」


「使うはずがないね。こんなところで使っちゃったら、私の帰る家も無くなっちゃいそうだからね。最低でも、太郎ちゃんが帰ってくるまでは物騒な兵器は使わないに越したことがないね」

「一つ気になったんだけど、人間には効かない兵器を使うと帰る家が無くなるってのはどういう意味なのかな?」

「そのまんまの意味だよ。みんなが無事だったとしても、私はあれを使ったという罪で今みたいに暮らしていくのは無理だと思う」

「珠希ちゃんが使ったとしても、さすがにアレの使用を認めるようなことは出来ないよね」

「もしも、珠希ちゃんがアレを使っちゃったとしたら、珠希ちゃんに対しての不可侵条約が破棄されることになるんでしょうね。そうなってしまうと、イザーちゃんは今まで以上に力を使ってくると思うし、うまなちゃんは持てる力と人脈をフルに活用して珠希ちゃんが何も出来ずに命令に従うだけの人形として育てられることになるかもしれないよ」

「うまなちゃんのコネを使えば一家族くらいだったら簡単にこの世から痕跡も残さずに消してしまうんだろうね。もしかしたら、親戚とかも全て抹消しちゃうかも」


 二人の会話が冗談ではないというのは感じていた。

 だが、そんなに簡単に人の存在を無かったことに出来るモノなのだろうか。

 いくら栗宮院家に力があるとはいえ、そんな簡単に出来るモノではないだろうという気持ちの方が強かった。


 しかし、小学生の時に噂で聞いた、二人の少女が悪い人を完全にこの世から消してしまうという話があったのだが、それはどこか栗宮院うまなとイザーに重なっているように思えた。

 何でそんな噂が広まっていたのかはわからないけれど、何となく栗宮院うまなとイザーが原因で作られた話なのだろうと予想はしていた工藤珠希であった。

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