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百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

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第35話 恥ずかしがり屋の工藤珠希

 素肌を見られるのが恥ずかしい工藤珠希はいつもタイツを身につけていた。

 そんな工藤珠希が誰かにおパンツを見せる気になるはずがない。それは誰もがわかっている事なのだが、工藤珠希に似合うおパンツの色と種類を決めるためにこの世界は滅亡しかかっているのだ。


 お互いの意見を尊重しつつも最後の一線だけは譲ることが出来ない栗宮院うまなとイザーは何度か和解の芽が出つつあったのだが、たもとを分かつこととなってしまったのだ。

 彼女たちを止めるには工藤珠希が二人の選んだおパンツのうちどちらかを選べば良いのだろうが、そんな恥ずかしい思いをするくらいであれば地球なんて滅んでしまってもいいとすら思っていた。


「このままだったら本当に地球が無くなっちゃうかもしれないよ。イザーちゃんも少しずつ本気になってるみたいだし、うまなちゃんだって全然挑発するのをやめる気配がないからね」

「あの二人を止めるためには珠希ちゃんが水色のおパンツを穿くしかないよ」

「何言ってるのよ。珠希ちゃんに似合うのはピンクのおパンツでしょ。それはみんなも納得している事なんだからね」

「みんなって言ったって、そのほとんどがこの学校の生徒じゃなく外部のサキュバスでしょ。柘榴ちゃんっていつからサキュバスの味方になったのさ。レジスタンスの誇りはどこに行っちゃったのかな?」

「それを言うんだったら愛華だってイザーちゃんに媚びてるじゃない。力のあるイザーちゃんに尻尾を振ってすり寄るなんて、それこそレジスタンスの誇りを捨てたって言えるんじゃないかしら。自分一人だけ助かろうとしているのが見え見えなんだよ」

「そんな言い方しなくてもいいじゃない。年上だからって言っていいことと悪いことがあるんだからね」


 サキュバス同士でのいざこざがあるように、レジスタンス同士でも多少のいざこざは発生していた。

 ただ、今までは表面上だけで争っているに過ぎなかったのだけれど、ここに来てその問題は根深く深刻な事態へと発展しつつあったのだ。

 この問題を解決するためにはどうしても工藤珠希の協力が必要になるのだが、当の本人は人前で下着姿を晒すつもりなんてさらさらないのだ。


 今も休まず地球に向かってきている工藤太郎がいれば状況を変えることが出来るのかもしれないけれど、工藤太郎が戻ってくるのはいつになるのか現代の観測技術では計算することが出来ないのであった。


「太郎ちゃんが住んでる地球って服を着ないといけないんでしょ?」

「それは当然だね。今は宇宙船の中だからいいんだけど、プライベートな空間から外に出る時はちゃんとした服を着ないとダメだよ」

「でも、地球の事を調べてみて思ったんだけど、服を着てるのって人間だけでしょ。野生の動物は服を着ている事がほとんどないよね。あたしだって野生の動物と同じようなもんなんだから服を着なくてもいいんじゃないかな?」

「そういうわけにはいかないんじゃないかな。ペタコン博士はこうして意思の疎通が出来るんだから野生の動物とは違うわけだし、人間として活動していくんだとしたらちゃんと服を着ないと怒られると思うよ」

「別にあたしは太郎ちゃんの仲間に怒られても気にしないけどね。そんな事に縛られるような女じゃないから」

「女っぽい見た目はしてるけど、ペタコン博士って地球人と違って性別無いんじゃなかった?」

「そんな細かいことは気にしなくていいのよ。それよりも、あたしが服を着なかったら怒る人の中にイザーちゃんはいないわよね?」


「どうだろう。エッチな格好をしている人がいても特に何も言ってなかったけど、テレビにチラッと裸の女性が映ってた時は凄く文句を言ってたと思うよ。公共の場で何をやってるんだって怒ってたような気がするな」

「へえ、そうなんだ。イザーちゃんって意外とそういうところを気にするんだね。そうだそうだ、あたしはこれから地球でお世話になるわけだし、地球の文化とか風習は尊重しないといけないよね。太郎ちゃんの故郷の昔の服っていい感じだと思うし、それを着てみようかな。あたしには似合わないかもしれないけど、布を巻くだけだから良さそうかも」

「布を巻くだけって、着物は結構着るのが大変だと思うよ。それに、ゆるそうに見えるかもしれないけど、結構帯とか苦しいんじゃないかな。ペタコン博士は着るのも大変そうだと思うな」

「それがどういう意味か聞かないでおくわ。で、地球についたらあたしはイザーちゃんとうまなちゃんのお世話になるって事でいいんだよね?」

「ソレで大丈夫だと思うんだけど、今はちょっと厳しい状況かも。二人が険悪な感じになってるからペタコン博士は野宿になるかもね」


 工藤太郎のスマホに映し出されいてるのは工藤珠希に似合うおパンツを決めるために戦いを始めた栗宮院うまなとイザーの姿だった。

 当然リアルタイムの映像ではないので工藤太郎たちが地球に着くころには戦いも終わっている可能性が高いのだが、状況を見る限りでは二人とも無事では済まないように思えていた。

 イザーの動きを制限させて攻撃をなるべくさせないようにしている栗宮院うまなが細かい攻撃を加えているのだが、だんだんとイザーの動きをカメラは捉えることが出来なくなっていた。

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