表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/77

第34話 おパンツ論争再び

 工藤珠希に似合うおパンツが年頃にあっている水色の可愛らしいモノなのか、それとも年齢にはやや不釣り合いではあるがセクシーなピンク色のモノなのかの争いは決着が付きそうにもなかった。

 相手の主張をよく聞き理解することによってお互いの良さを再確認していたこともあって自分の意見だけが正しいものではないのかもしれない。そんな思いが両陣営に広がりつつあったのだ。

 当事者である工藤珠希としては、どちらが嫌という事もないのだけれど自分が身につけるおパンツをそこまで真剣に討論されるのはいったいどういう事なのだろうという思いだけは拭い去ることが出来なかった。何を穿こうが自由だろうという事を言っているのだが、そういう事を言っているのではないと一蹴されてしまって言い返すことも出来ずにいたのだ。


「そんなわけで、珠希ちゃんに似合うおパンツというテーマで今日も楽しくお話をしていきたいと思います。うまなちゃんから提出された資料を皆さんも見ていると思いますが、ここ数回のアンケートではどちらも良く似合うという回答比率が一番高くなっていますね。これはこの学校の生徒さんだけではなく、外にいるサキュバスさんたちの回答も含まれているからという可能性をイザーちゃんから指摘されたので確認してみたところ、零楼館高校内だけで集めた回答でも同様の結果が確認されました。と言いますか、イザーちゃんとうまなちゃん以外の生徒さんはほとんど“どちらも良く似合う”と回答されていますね」

「先生、それってうまなちゃんとイザーちゃんだけがこだわってるって事ですか?」

「厳密に言うと二人だけではないのですが、ほとんどの生徒さんがこだわっていないという事ですね。珠希ちゃんだけが無回答だったという事なんですけど、それは気にしないでおきましょうね」


 工藤珠希に視線が集まるのと同時にイザーと栗宮院うまなが席を立っていた。

 二人の行動に生徒たちが気付くのが遅れたのは工藤珠希に集中していたからという事もあるのだが、イザーと栗宮院うまなはほとんど物音を立てずに立ち上がっていたというのも理由の一つだろう。

 そんな二人はほぼ同時に黒板の前へと移動してお互いに譲れない部分を板書し始めた。

 片岡瑠璃先生もそれを止めず、生徒たちも二人の行動をじっと見守っていた。


 工藤珠希だけが書かれている内容を見てため息をついていたのだった。


「イザーちゃんの理想のおパンツも良いと思うけど、私のこの理想のおパンツの方が珠希ちゃんには似合うと思うの。視線をあえておパンツに向けることでお胸から注意を逸らす効果もあると思うし、全体的に大人っぽい雰囲気にすればいつもと違う珠希ちゃんの魅力が引き出せると思う」

「うまなちゃんの言いたいことはわかるんだけど、それって現実から目を背けてるだけなんじゃないかな。私の考えとは少し違うかも。だって、うまなちゃんの言い方だと珠希ちゃんのお胸は魅力が無いって言ってるようなものなんだもの。私としては小振りで可愛らしい珠希ちゃんのお胸もちょっと大きめのお尻も素敵だと思うのよね。その可愛らしさを全体的に表現するためにも可愛らしいおパンツの方がいいと思う。無理に背伸びして大人っぽい感じをアピールするよりも、今の魅力を十分に引き出してあげる方がいいと思うな」

「それは一理あるかもしれないけど、あえて大人っぽいおパンツにすることでガーターベルトという新しいアイテムを付けることが出来るのよ。イザーちゃんの選んでるおパンツではそういった大人っぽいアイテムは似合わないし、今まで見たことのある珠希ちゃんの再確認しか出来ないと思うけどね」

「そんな物に頼ろうとしているのは今の珠希ちゃんの魅力を否定しているって気付かないのかな。今のままでも十分に珠希ちゃんは可愛らしいし、その魅力を引き立てるのに必要なのはガーターベルトじゃないんじゃないかな。うまなちゃんだってそれに気付いているでしょ。昨日だってお風呂で背中を流してあげている時にそんな事を言っていたと思うんだけどな」


 それぞれに主張を続ける栗宮院うまなとイザー。

 お互いに譲れないものがあると思うのだが、その言葉の端からは自分を説得して欲しいという気持ちも見え隠れしていた。

 何よりも、二人が一緒にお風呂に入っている程仲が良いという事がみんなにとって衝撃的なことだった。


「珠希ちゃんの可愛らしさを引き出すのはセクシーさよりもキュートさだとはわかってるけど、新しい珠希ちゃんの魅力を発見するためには一歩踏み出す勇気も必要なんじゃないかな。イザーちゃんだってそれはわかってるよね?」

「もちろんわかっているよ。可愛いだけじゃないセクシーな珠希ちゃんの魅力が眠っていることを知っているよ。でも、それを起こすのは今じゃないと思うんだよね。大人になってからでも十分間に合うと思うし、何よりも今はこのキュートで素敵な珠希ちゃんの魅力を存分に引き出すのが先決じゃないかな」

「その考えは否定しきれないけど、珠希ちゃんはどっちがいいと思うかな?」


 全く話を聞いておらず、工藤太郎の事を考えていた工藤珠希は質問をよく理解していなかったので黒板に書かれている絵を見て適当に答えることにした。


「えっと、どっちかって言うとイザーちゃんの描いているそのソックスが可愛いと思うな。ボクはあんまりそういうの持ってないからちょっといいなって思ったかも。うまなちゃんが描いているのはちょっとエッチすぎるかなって思っちゃうかな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ