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百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

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第33話 宇宙に広がる恐怖の力

 小さい宇宙人の蛮行に一番頭を悩ませていたのは意外なことに味方であるはずのイザーであった。

 仲間内で争う事を好まないイザーが小さな宇宙人たちの行動を注意しても聞いてもらえず余計に暴れまわるという事が続いていたところ、我慢の限界に達したイザーが校舎ごと吹き飛ばしてしまうのではないかと思えるくらいの力を開放して自身の存在を世界中に向けて力強くアピールしていた。

 その力を感じることが出来たのは零楼館高校にいる者だけではなく市内にいる野生のサキュバスやサキュバス星人たちも当然気付いていたのだが、遠く離れた場所にいる工藤太郎のもとへも強い衝撃と共に届いていたのであった。


「なんか凄い力を感じたんだけど、これってイザーちゃんの力だよね?」

「そうだと思うけど、地球から離れているこんな場所まで届くもんなんだね。いったい何があったんだ?」


 イザーのエネルギーを感じることが出来た場所では自然と争いごとが収まりしばらくの間はみんな様子をうかがうかのように警戒を続けていたのだ。

 イザーの怒りに満ちたエネルギーは全ての感情を押さえつけて命の危機を知らせるシグナルだと思われていたようだ。

 宇宙中に届いているイザーのエネルギーによって自然と休戦状態になっていき、戦争行為がまったく行われない期間が誕生したのだ。イザーの怒りのエネルギーを感じた者たちは自身の怒りの感情を外に向けるということは出来なくなってしまっていたのだった。


「何かとんでもないことが起こったのかもしれないよ。イザーちゃんがあそこまで怒ってることなんて今までなかったと思うんだけど、この怒り方は尋常じゃないと思うな。正直に言って、あたしは今から太郎ちゃんの星に向かうのが怖くなっちゃったよ。あのイザーちゃんをあそこまで怒らせることが出来るやつなんて、物凄い大物かとんでもない大バカ者だと思うからね」

「イザーちゃんが怒るのってそんなにヤバいことなの?」

「とんでもなくヤバいことだと思うよ。イザーちゃんに必要以上にしつこく迫っていた自意識過剰な悪魔がいたんだけど、そいつのウザ絡みに少しイラついたイザーちゃんはその悪魔がいた世界をたった二日で完全に支配してその一週間後には誰も住めないような荒廃した土地に変えてしまったって言うからね。ただ、その悪魔が住んでいた世界には生き物は完全に住めなくなったんで新しい世界を求めて世界線を超えて移住してきたって事なんだよ」

「何だか嘘みたいな話だけど、それって本当のことなのかな?」

「本当だと思うよ。あたしのご先祖様がイザーちゃんに連れられてこっちの世界へやってきたって言ってたみたいだからね。それが嘘でも本当でもどっちでもいいんだけど、さっきのエネルギーを感じた今はあり得ない話ではないという思いが強くなってるよね」


「確かにね。普通の人間である俺でもイザーちゃんの恐ろしさは感じ取れたからね。あんな感じで怒るんだってわかってちょっと嬉しかったかも」

「嬉しいって、あんた一体何言ってんの?」

「だってさ、イザーちゃんがうまなちゃんとたまに言い争いをしている時があったんだけど、その時とは明らかに違う怒りの感情だってわかったからね。イザーちゃんの怒りって理不尽なものではなくて特定の対象に向けられているって感じだったでしょ。それって、イザーちゃんの怒りが向いている対象をどうにか出来ればおさまるものなんだって感じたんだけど、それって俺の気のせいだったりするのかな?」

「あたしにはあんたの言ってるその言葉の意味が全然理解出来ないんだけど、あれほどの怒りを爆発させたイザーちゃんを抑えるのに特定の誰かをどうにかすればいいって言いたいわけなの?」

「遠くからだったんでハッキリとしたことは言えないけど、少なくともイザーちゃんの怒りは俺たちに対するものだとは思えなかったな」

「あたしにはイザーちゃんの怒りが全方位に向けられているとしか思えなかったんだけど。あんたっていったいどんな感性してるのよ。あれだけの怒りのエネルギーを受けても冷静でいるし、あんたって本当はとんでもないやつだったりするの?」

「そんな事は無いと思うけど。どこにでもいる普通の人間だと思うよ」


 工藤太郎は決して謙遜でそんな事を言ったのではなく本心からそう思っているのだ。

 ただ、イザーを楽しいと思わせるくらい互角の力を持っているのが普通の人間と呼べるのかというと、とても普通の人間だとは言えないだろう。

 工藤太郎とイザーの戦いを見た者の多くはイザーが手を抜いていると感じているようだが、実際のところイザーは世界に影響を与えない程度には力を出しているのだ。工藤太郎も自然とイザーのように力を抑えて戦っているのだが、それは無意識に行われている事なので本人は全く自覚していないのである。


「まあ、確かにあんたはどこにでもいそうな平凡な感じだよね。あたしみたいに何か特別なことを成し遂げることが出来ればいいんだけど、ちょっとそれは難しそうかもね」

「天才科学者と俺みたいな平凡な男を比べるのもどうかと思うけどな」

「平凡って、あの熊を素手で撃退することが出来るあんたも十分天才だと思うわよ。でも、さすがにイザーちゃんと比べると格落ち感が半端ないけどね」

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