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百合系サキュバスのお話  作者: 釧路太郎
おパンツ戦争

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第27話 彼女の名はペタコン博士

 工藤太郎との連絡頻度が減ったことで彼に何かあったのではないかと心配になっていた工藤珠希ではあったが、久しぶりに連絡が取れてホッとしたのは事実であった。

 だが、工藤太郎と一緒に下着姿の女性が映っていたことに対して動揺を隠せずにいた。


「え? え? え? どういう事? いったい何?」

「上手く電波が拾えなくて通信出来なかったんだよね。でも、このお姉さんにアンテナを強化してもらったら通信出来るようになったんだよ」

「それはわかったんだけど、なんでその人は下着姿なの?」

「それは俺も気になって聞いたんだけど、締め付けられるのが嫌だって事みたいだよ」

「へえ、確かに締め付けられるのってあんまりよくないよね。ボクもなるべくなら締め付けの少ない服とかが良いんだけど、ある程度はきつくしないとずり落ちちゃうんだよね。って、そういう事じゃなくない?」

「だよね。俺も服くらいは着て欲しいって言ってるんだけど、どうしても嫌だって言うんだよ。珠希ちゃんからも説得してもらっていいかな?」


 何をどう説得すればいいのだろうかと困っていたのだが、工藤珠希の様子をうかがっていたクリームパイがスマホの画面を覗き見すると同時にスマホを奪い取っていた。


「おお、行方不明になってるペタコン博士ですよね?」

「あ、その聞き覚えのある声と見覚えのある顔はクリームパイちゃんじゃないですか。なんであなたがそこにいるんですか?」

「それはこっちのセリフですよ。みんなペタコン博士の事を探してたみたいですよ。あの事件はとっくに時効を迎えてるんだから隠れていないで出てくればいいのにって言ってますし、オナオナ星の人達もあの事故はこれからの発展には必要なことだったって言ってるんですからね」

「ああ、そう言えばそんな事もあったね。すっかり忘れていたよ。みんな無事に脱出することは出来たって事なのかな?」

「それは話すと長くなるんですが、イザーちゃんって人がみんなを救い出してくれたんですよ。どんな方法をとったのかはわかりませんが、オナオナ星もイザーちゃんの手で救われたって事っだけは事実なんです」

「本当にイザーちゃんという人は凄い人だな。彼女に救われていな星を探す方が大変なんじゃないかってくらいどこの星も救っているよな。ちなみになんだけど、アタシが作ったブラックホールはどうなったのかな?」


「その事なんですけど、ペタコン博士の作ったブラックホールは消滅しました。消滅したからみんな救われたって事なんですけどね。ただ、ちょっとばかし厄介なことになっちゃってるんですよ」

「厄介なこととは、いったい何が起こっているのかな?」

「ペタコン博士の作ったブラックホールと全く同じ大きさのブラックホールをイザーちゃんが作って衝突させてるんですよ」

「そんな事が現実に可能なのか?」

「普通は無理だと思うんですけど、イザーちゃんなら出来ることなんじゃないですかね」

「そう言われるとそうだとしか思えないな。アタシたちには不可能なことだとしても、イザーちゃんなら出来ておかしくないってことだもんね」


 イザーが凄い人だとは思っていた工藤珠希ではあったが、この二人の話を聞いていると自分が知っているイザーよりも何倍も凄い人なのではないかと思い始めていた。サキュバスを人と呼んでいいものか多少は考えてしまったのだが、そんな事を気にするよりも重要なことが目の前で起こっているのだ。

 工藤珠希はクリームパイからスマホを奪い取ると、工藤太郎にもう一度話しかけていた。


「そんな事はどうでも良くて、どうしてペタコン博士って人が下着姿で太郎と一緒にいるのかな?」

「どうしてって、なんやかんやあって一緒に地球に行くことになったんだよ。珠希ちゃんが住んでる家よりも大きな熊と戦ったんだけど、その後色々あってこの女の人と一緒に行動することになったって感じかな」

「全然意味が分からない。そもそも、なんでその人が服を着てないかもわからないし、下着姿の女性と太郎が一緒にいる意味も分からないんだけど」

「そんな風に言われてもさ、俺も良くわかってないんだよ。転送ゲートが今すぐにでも直れば一刻も早く戻りたいって思ってるんだけど、今は使えない状態なんでどうやって地球に帰ればいいかって考えた結果、この女の人に協力してもらって地球に帰るってことになったんだよ」

「さっぱりわからないよ。全く意味が分からないんだけど。その人が下着姿で太郎と一緒にいるのは何か理由があるのかな?」


「それはアタシから説明させてもらうね。太郎ちゃんと出会うまでのアタシは服なんて着るつもりはなかったんだよ。ずっと裸で暮らしていたし、一緒に暮らしていた動物たちもみんな服なんて着てなかったからそれが当たり前だったんだよ。でも、太郎ちゃんや他の人達に言われて服を着ないといけないのかもしれないって思ったんだけど、どうしても締め付けられるのが嫌で嫌で仕方なくて困ってたんだよ。そこで太郎ちゃんと話し合った結果、下着を身につけるって事で妥協することにしたってわけさ」

「下着姿ってのは良くないと思うんですけど。太郎だってはしたないって思ってるんじゃないかな?」

「うん、俺としてはちゃんと服を着てもらいたいって思ってるよ。でも、下着だけでも身につけてくれてるってのは大切なことだと思うな。それにさ、珠希ちゃんだってお風呂上りに下着姿でウロウロしてるときあるでしょ。それと同じだと思うんだけ」


 工藤太郎が言いきる前にスマホの電源を落とした工藤珠希の顔は真っ赤になっていた。

 クリームパイはそれに気付かなかったフリをして元の場所へと戻っていったのであった。

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