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【トランス島奇譚】  作者: 石田ヨネ
第六章 立て直しと再対決

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41 一本あたり数十億ウォン単位はしそうな、竹をイメージした青竹色に金箔色などのマーブルの、人造大理石――



          (4)




 ――ブ、ォンッ……!!


 と、気がついた時にはユスリ・タカリがテレポーテーションのようにして!!

 眼前の、10メートルほどのところに姿を現した――!!

 それを見て、パク・ソユンが咄嗟に、

「ヨンファッ!! 防御を発動してッ!!」

「へっ――?」

 と、言うもドン・ヨンファの反応は遅れ、その間にも、ユスリ・タカリはこちらに手を向けんとする――!!

 伝わるのは、また、“例の力”!!

 そして、


 ――シュバッ――!!


 と、ユスリタカリが手をかざすと同時、


 ――グワンッ!! グワンッ!!


 と、空間ごと変形させる力が伝播し!! ふたりに襲いかかる!!

 その刹那には、

「もうッ!! 遅いってッ!!」

「う、うぉッ――!?」

 パク・ソユンが苛立ちつつも、いったいどこにそんな力があるのか――!?

 驚くドン・ヨンファを軽々と掴み、アクロバットな動作とともにユスリ・タカリの力から回避する!!

 そうしつつも、次はパク・ソユンが仕掛ける。


 ――ゴ、ワッ――!!


 と、まるでアメリカ警察がするが如く――!!

 捕縛用の――、網目2センチくらいの網をユスリ・タカリへと放つ!!

 なお、その網は対象を追おうと同時、

 ――ジリ、リッ――!!

 と、テーザーガンのように電撃が走る!!

 しかしながら、“そんな網”に覆われながらも、

「……」

 と、ユスリ・タカリは肖像画のような目を崩さず、どこか余裕の様子でこちらを見続ける。

 そうして、完全に捕縛されてしまうと思われる刹那――!!


 ――シュバ、シュバ、シュバッ――!!


 と、何とあろうことか――!?

 CGのように自らを変形して細切れのキューブのように分割し!! 泡のようにすり抜けてしまう!!

 それを見て、

「っ――!」

 パク・ソユンが、思わず舌打しかける。

 また同時に、目の前では、


 ――ギュ、イーンッ……!!


 と、これまたCGアニメのように、空間に現れたキューブが集まりつつ、ユスリ・タカリが、ふたたび元の姿を現した。

 続けざま、


 ――シュババッ――!!


 と、こんどは予備動作を入れることもなく!! 速射のように“例の力”を放つ!!

 それに対抗し、

「ヨンファッ!!」

「わっ、分かってるてッ!!」

 と、こんどはドン・ヨンファもすぐに反応し、


 ――ファッ、ファッ、ファァンッ……!!


 と、先ほどの桜吹雪の“幕”を張り、ユスリ・タカリの力を無効化せんとする!!

 そのまま、ふたりは桜吹雪に隠れる。

 その中で、

「もう!! 形っていうけど、どんな形がいいってのよ!! あのタヌキ!!」

「ぼっ、僕も分かんないって!!」

「分かんないってじゃなくて、ちゃんと考えなさいよ!!」

「ふ、粉砕機――、とかは?」

「は? そんなの――、そんなでっかいの、召喚できるわけ?」

 などと、ふたりは言い合う。

 そこへ、


 ――ゆらっ――!!


 と、不意打ちをつくようにして!!

 桜吹雪の煙幕を破ってか――!? またしても、ふたり前にユスリ・タカリが現れる!!

「うっ――!?」

 驚くドン・ヨンファと、

「ちっ――!」

 と、パク・ソユンが舌打する。

 その瞬間には、すでに!! ユスリ・タカリの手はふたりに照準が合っていた!!


 ――シュババッ――!!


 と、“例の力”は、隙ができていたドン・ヨンファのほうを向く!!

「うぐっ――!?」

 ドン・ヨンファが強張る。

 この攻撃は、かわすことはできないッ――!!

 そう、絶望が過った時、


 ――バ、バッ――!!


 と、ドン・ヨンファの目の前に突如として!! パク・ソユンが庇うようにして入った!!

 同時に、


 ――グワンッ――!!


 と、パク・ソユンに!! 身体を“変形させんとする力”が伝わる!!

「ぐっ――!?」

 パク・ソユンの顔が苦痛に歪む!!

 続けざま、

「ガ、ハッ――!!」

 と、吐血する!!

 それを見るなり、

「そ、ソユンッ――!?」

 と、ドン・ヨンファが叫ぶ。


 そんなふたりを、見下ろす形で、

「やはり、驚きますな……。通常の人間で、あれば……、この時点で、“変形”できるの、だが……」

 ユスリ・タカリが、心底、感心したように言った。

「ええ……」

 秘書の女が、ユスリ・タカリに答える。

 そのまま続けて、ふたりのほうを向いて、

「――でも、パク・ソユン様? 今のは、けっこうなダメージ、なのではありませんか?」

 と、平素の丁寧な様子で、パク・ソユンに問うた。

「ハァ……、ハァ……」

 と、口からは血が滴り、息が乱れ、すぐに答えることはできないパク・ソユンに、

「内臓に損傷と――、肋骨にも、ヒビが入っていますよね?」

 と、秘書の女は、淡々ながらも、冷徹な様子で聞いた。

「ハァ……、ハァ……、だ、から……、何?」

 パク・ソユンが、脂汗も混じりながら、p、何とか余裕を装って、

「そ、ソユンッ!? 大丈夫かい!? ぼ、僕を庇って!!」

「ああもうッ!! アンタもうるさいっての!! いいから、アンタは防御とかに集中してって!!」

「あ、ああっ、」

 と、心配するドン・ヨンファを一喝する。

 だが、


 ――ぐらっ……!!


「つッ――!」

 とここで、パク・ソユンは、視界が揺らいだ。

 ロビーの、一本あたり数十億ウォン単位はしそうな、竹をイメージした青竹色に金箔色などのマーブルの、人造大理石――

 夜明けの、薄明りが差し込む大きなガラス。

 そして、ゆらめく、巨大なカーテンと――

「ハァ……、ハァ……」

 パク・ソユンは、脂汗と、口からは血が滴り続ける。

 だが、そんなことお構いなしに、ユスリ・タカリが容赦なく、次の攻撃を仕掛けてくる。


 ――ブォンッ――!!


 と、現れるユスリ・タカリ!!

 対するパク・ソユンは、スクリューミキサーのような武器を召還し、

「もうッ!! ムカつくわね!! アンタ!!」

 と、イラつきながら、


 ――ギュ、オォォーンッ!!


 と、半ば、むやみに振り回すも、

「フフフ……。取り乱してますな……。そんなもの、私に、効くわけないですよ」

 と、ユスリ・タカリは再び余裕の様子で、そもそも避けられてしまう。

「つっ、――!!」

 舌打しつつ、パク・ソユンは召還していた武器を消滅させ、

 ――ビ、ィィン……

 と、その手を元に戻した。

 だが、その瞬間!!

「隙が、できましたよッ……!! フッ――!!」

 と、すでにユスリ・タカリの手がパク・ソユンのほうを向いており!!

「――!?」

 と、パク・ソユンが驚くも時遅く!!


 ――グ、ワンッ――!!


 と、召喚した武器をしまい終わったその手に、“変形させる力”が伝わる――!!

 そして、まるで竹が割れるように、


 ――クッ、パァァッ――!!


 と、パク・ソユンの右腕が!! 大きく変形してしまったのだ!!

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