表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【トランス島奇譚】  作者: 石田ヨネ
第五章 対決

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/45

33 プラナリア君もビックリな再生具合


「そっ、ソユン……?」

 ドン・ヨンファが、恐る恐ると声かける。

 それが聞こえたのか、そうではないか定かでない中、

「……」 

 と、パク・ソユンも無言で、ジッ……と、ユスリ・タカリと対峙する。

 その間も、相手を観察しながら考える。

 おそらく、先ほどの攻撃――これは、ユスリ・タカリの異能力というべきか?

 その力というのは、『空間に作用して、対象、もしくは空間ごと変形させるようなナニカの力』の可能性がある。

 そう、思い浮かびながら、

「……」

 と、パク・ソユンは少し目線を下げて、

 ――チラ、リ――

 と、自分の腕を見てみた。

 もし、あのまま回避せずにいたら、腕は“変形”させられていただろう。

 それは、グリン――!! と、腕の内側から裏返しされる格好になるのか? 

 あるいは、寄生獣の漫画のように、グバァッ――!! と、腕先から六等分ぐらいに“裂ける”スタイルで変形するのか? どちらかは、定かでないが……


「ヨンファ、気をつけて――」

 パク・ソユンが、振り向かずに言った。

 そのドン・ヨンファは、

「……」

 と、緊迫して息を呑みながら、チラリ……と振り向きながら、

「たぶん、何か、変形させるような力、かも――」

 と、間を置いて言ったパク・ソユンの言葉に、

「あ、ああ……」

 と、頷いた。

 その間も、ユスリ・タカリであるが、

「……」

 と、無言で、相変わらずの肖像画のような目で、こちらをジッ……と見ていたが。


 そんな、緊迫感が漂う空間――

 そして、対峙するだけの時間――

 ただ、このまま両者とも何もせず時間が流れてくれるなど、そうは問屋は時間をおろしてはくれないだろう。

 その時、ユスリ・タカリが、

「……」 

 と、少しだけ目を開かせてか? ついに、動き出す。


 ――ゆらり……


 と、少し空間を移動して――

 先ほどのように、再び、手を……、パク・ソユンとドン・ヨンファのふたりに向けんとした。

「そ、ソユンッ――!!」

 ドン・ヨンファが思わず叫ぶ。

 その傍ら、

「……」

 と、パク・ソユンは、ジッ……と無言で見ながらも、動く。

 距離を、どう、取るべきか――?

 そう思考しつつ、パク・ソユンは中距離くらいのポジションを取るや、

 ――グ、ォォン……!!

 と、その手にチェーンソーをッ――!! 

 いなッ――!! 草刈り機を召還していた!!

 そのまま、

「フ、ンぬッ――!!」

 と、力を込め、


 ――ギュ、イィィーン……!!!!


 と、まさに達人の居合の斬撃にも勝らんほどの動作で!! 草刈り機を振りぬいたのだ!!

 なお、その威力は異能力でマシマシであり!! 通常であればグバァッ――!! と、相手の身体を簡単に切断してしまうだろう!!

 そして、その攻撃は見た感じは、クリティカルにヒットしていたはずである。

 しかし、


「――?」


 と、パク・ソユンは、軽く目を見開いた。

 くうを切ったように、まったく、無い手ごたえ――

 その、“先ほど切った空間”を見る。

 するとそこには、

「……」

 と、ユスリ・タカリが、変わらずに肖像画のような目をこちらに向ける姿があった。

 しかしながら、まるでアニメや映画のようにというべきか……?

 何と、あろうことか――!?

 その身体というのが、“草刈り機の刃が切り裂いた空間”とともに、パカァッ――と、“分裂”していたのだ!!

 そして、続けて、


 ――ぐぐ、ぐっ……


 と、分裂したユスリ・タカリの身体は、さも何事もなかったかのように――、当たり前のように“くっついた”!!

 それも、数秒もかからない、プラナリア君もビックリな再生具合で。

 すなわち、このユスリ・タカリであるが、その力は、“空間や物体を変形させる能力”だけではない。

 自身をも、自在に“変形”することができる能力。

 さらに、変形させ、分裂させた身体を難なく再生することで、あらゆる攻撃が効かないという可能性があるのだ!!


「……」

 パク・ソユンは無言で、ユスリ・タカリを見つつ、

 ――シューッ……

 と、召喚していた草刈り機を、いったん消滅させて引っこめた。

 その傍らでは、

「う、嘘だろっ……!?」

 と、ドン・ヨンファが、戦慄まじりに驚愕していた。

 そのドン・ヨンファの声を、

「……」

 と、パク・ソユンは無視しながらも、ふたたび、ジッ……とユスリ・タカリのほうを見る。

 その間も、頭の中に、何か“イメージ”を浮かべようとした。

 その、“イメージと連動した武器”が、召還されるわけである。

 恐らく、ただ切断しようとするだけの武器では、先ほどのように効かないと予想される。

 そうしながら、パク・ソユンの頭の中には、“ある知見”とともに“グロいシーン”が過った。

「……」

 と、パク・ソユンは、そのイメージを確かに確認しつつ、


 ――スッ――


 と、虚空に手をかざした。

 同時に、

 ――シュル、シュルッ……!!

 と、“何かけっこうな太さをもった細長いモノ”が――

 おそらくは、大型の船舶などを係留するロープらしきものが召喚されるとともに、

「――!?」

 と、まさか目を見開いたユスリ・タカリの、後ろの空間まで延びていた!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ