30 いや、まあ、お前が悪いんだがという話だが……
ふたりが、そのようにしていると、
「――そろそろ? 答えても、よろしいですか?」
と、秘書の女が、うかがってきた。
「うん。早く早くー」
パク・ソユンが、締まりのないトーンで答える。
自分が余計なこと言ったくせに急かすとは、まあ、どこか疑うような人間性であるが……
そうしながらも、
「まあ、パク・ソユン様……、貴女が、失礼な人間だというのは置いておき、」
「うん。だから、それ、失礼な人間かもしれないし、失礼じゃない人間かもしれないって」
「もうッ!! ほんっとに!! その辺にしてくれよ、ソユンッ!! ほんとに話進まないだろ!!」
などと、「早く話せ」と言われて、秘書の女が続きを話そうとした矢先に、またしてもパク・ソユンがふざけ、ドン・ヨンファがつっこむというカオスな会話模様で、話が止まる。
「はぁ、うるさいわね」
パク・ソユンが、ドン・ヨンファにつっこまれ、苛立った表情をみせる。
いや、まあ、お前が悪いんだがという話だが……
また、締まり悪くも、話を続ける。
「それでは……、いい加減、続きを話しますよ」
「うん、だから早くしてって」
と、パク・ソユンが言ってくるのをスルーして、秘書の女が話す。
「別に、ですね……、理事長が話さずに、私だけがこうして、すべて話しているのというのは、ですね? 理事長が話すまでの、“必要性が無い”だけのこと……。わざわざ、理事長に、ご足労かけさせるまでのない話――。それだけのことです」
との、秘書の女の回答に、
「……」
と、ドン・ヨンファが無言で、少し口をあけてポカンとした。
その横から、
「――で? その、アンタたちが、さ? 私たちを、どうする気?」
と、パク・ソユンが聞いた。
今回の件に関して、もっとも重要と思われる疑問を――
秘書の女が、それに答える。
「ええ……、お答えしましょう。それは、ですね……、簡単には“形を変える”ことのできなかった貴方がたに対して、理事長も、財団も……、そして、この私も、とても興味が、ありましてね――」
「はぁ、」
と、パク・ソユンが、気の抜けた相槌をし、
「……」
と、ドン・ヨンファが少し険しくも、怪訝な顔をした。
その、何か、溜めるような間――
そして、
「――なので、今ここで、貴方がたを実験台にさせていただきます」
と、秘書の女から放たれた言葉に、
「――!?」
と、ドン・ヨンファが驚愕する中、
「ヨンファ!!」
と、次の瞬間には!! 何かに気づいたパク・ソユンが反射的に動いていた!!
目の前の空間には、まるで瞬間移動でもしたかのように!! 理事長のユスリ・タカリの姿があり、
――ゴゴゴ、ゴゴッ……!!!
と、何かを放たんかのように!! その手をこちらへと向けていた




