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【トランス島奇譚】  作者: 石田ヨネ
第四章 調べにかかる

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24/45

24 うん。これがほんとの、【スタンド能力】ってヤツ、なんちゃって




          (2)




 なお、【そんなこと】をしている間にも、状況というものは変化する。

 クリーチャーが――、【管人間】というべき二体が、

 ――ヌチャッ……、ヌチャッ……

 と、“グロい音”を立てながら、こちらへと近づいてきていた。

 その距離は、だんだん詰められ、

「ほっ、ほらッ!! ソユンがふざけてなんかいるから!! 状況が悪くなっているじゃないか!!」

 ドン・ヨンファが、慌てながら言うも、

「は? 私が、いつ、ふざけたわけ? また、【カンチョー】しよっか? 今度は、きっつい便意がくるヤツを」

「だ!! か!! らッ!! 今ほんとにそんな状況じゃないでしょがッ!! 頼むから緊張感持ってくれよ!! ソユン!!」 

「はぁ? うるさいわね」

 と、パク・ソユンは相変わらず【緊張感ゼロ】であり、なおかつ、逆にイラついてくるという。


 それにも、めげずにドン・ヨンファは続けて、

「と、とりあえず!! このままじゃマズいッ!! ソユン、何とかしてくれよ、」

「は? 私が、何とかすんの?」

「いや、君じゃないと倒せなないでしょ」

 と、【筒人間】を指さしてみせる。

「はぁ、」

 パク・ソユンは、億劫そうに相づちする。

 そうしながらも、やわやわと、仕方なさそうに異能力を以って、武器を具現化してみせる。

 すると、


 ――シャ、キンッ――!!


 と、まず出てきたのは、先ほどは客室のドアをこじ開けたときの、【ターミネーター式のこじ開け具】――? とでもいうべき、【鉄器らしきナニカ】であり、

「う、ん――? これは、違うかな?」

「打撃系か、ワンチャン、破壊系に使えそうだけど……、違うっぽくないかい?」

 と、ドン・ヨンファと確認し合う。

 まあ、たぶん、これは武器としては、あまり適当でないだろう。

 やりなおして、


 ――ブ、ォンッ……!!


 と、次の、武器となるものを召還する。

 それは、ターミネーター式何ちゃらと同じく、【鉄製もしくはステンレス製と思しきのもの】――

 しかし、その胴体は細く、また縦横に、固定具で組み合わせることで、少し複雑な形も出来そうなナニカ……

 さらに、その【持ち手【】――? と思しき箇所のあたりはというと、大きくて平べったく、なおかつ重厚で重量感があった。

 とりあえず、武器としては、【けっこう持ちにくそうな部類】ではある。

 すなわち――と、言うべきか?

 パク・ソユンが具現化したのは、理科の、化学の実験の【スタンド】であった。


 それを見て、ドン・ヨンファが顔を引きつらせて、

「い、や……、少なくとも……、その、【実験室のスタンド】だけは、全然、ダメそうじゃないか?」

「うん。これがほんとの、【スタンド能力】ってヤツ、なんちゃって」

「だから、ふざけるなし。頼むから!! マジメにやってくれよッ、ソユンッ!!」

 と、寒いジョークを見舞うパク・ソユンに、ここは、さすがに怒り気味につっこんだ。

 まあ、クリーチャーもクリーチャーで、こんなことをしている間にでも、もっと早く襲ってきてもよさそうなものであるが。


 こんどは、パク・ソユンが聞く。

「じゃあ、さ? そもそも、どんな武器がいいわけ?」

「と、とりあえず……、切るとか、切断系でいいんじゃないか? く、草刈り機とか」

「日本で云うところの、【草】」

「だッ、からッ!! もう、ふざけるのはいいって!! 面白くないよ!!」

「ああ、もう、うるさいわね。じゃあ、これでいい?」

 と、パク・ソユンはつっこまれてイラッとしながらも、再び武器を具現化して見せる。


 ――ブォ、ンッ……!!


 と、出てきたのは、ここは某マンガにあやかってか――? 昨日、カジノで召還した【エンジン機動具】――!!

 すなわち、【チェーンソー】であった!!

 パク・ソユンは、それを手にもって構えるや、


 ――グォン!! グォーンッ――!!


 と、回転して鳴らす!!

 それ対して、

 ――ビッ、クンッ――!!

 と、管人間が軟体動物のするように、大きく身体を波打ったような反応をみせる。

 チェーンソーの威嚇が、いちおう、効いているかのようにも見える。

 そのまま、パク・ソユンは

 ――カ、チャッ――!!

 と、スタイリッシュに構えたチェーンソーを振るおうとした。

 しかし、その時、


「――!?」


 と、パク・ソユンは、【何か】が一瞬がよぎったのか――? 思わず、ピタリ――と手を止めた。

 その様子を見て、

「そっ、ソユンッ!? こ、攻撃しな―「―ちょっと待って――、ヨンファ」

 と、ドン・ヨンファが咄嗟に声をかけたのを、パク・ソユンは言葉を被せて遮り、制止した。

 予想外のことに、

「へっ……? な、何を……?」

 と、キョトンとするドン・ヨンファに、パク・ソユンが、

「待って、ヨンファ――。まだ、この【変なの】を攻撃することは、できないわ――」

「え? どゆ、――ッ!?」

 と、ドン・ヨンファが「どゆこと?」と聞こうとした刹那、

 ――グイッ――!!

 と、突然に、身体を引っ張られる。


「うぉッ!? ちょッ、ちょっとッ――!?」

 ドン・ヨンファはバランスを崩しかけて慌てるも、すでにパク・ソユンが強引にして自分を引っぱっており、その勢いのまま、身体は走らされる。

「とりあえず、逃げるわよ」

「お、おいおいッ――!? に、逃げるのは分かるけど、攻撃できないって、どうし――、まッ!? まさかッ!?」

 と、走りながら聞こうとしたドン・ヨンファは、『どうして?』の『て』のところまで言いかけると同時――、【パク・ソユンが云わんとしたこと】が時間差で分かってしまい、ハッ――!? となる。


 それを受けて、パク・ソユンが、

「いや、その、【まさか【】じゃないんけど、さ? 【私たちが部屋で見たの】も、そうだけど……、『この【変なの】が【幻覚】じゃない』っていう保証が、さ? まだ、無いじゃん?」

 との、可能性を言葉にする。

「ま、まあ、確かに、」

 そこは、ドン・ヨンファも納得する。

「まあ、たぶん、【幻覚じゃない可能性】のほうが高いんだろうけど、念のためよ。もしかすると、あの、【X】ってワインのせいかもしれないし……、いま、頭が若干、グワン――って、なってるし」

「だから、飲み過ぎだって。二日酔いじゃないか」

「は? だから、お酒は絶対やめたって、言ってるじゃない?」 

「はいはいはいはい、もういいから、そのネタはあとでゆっくりやってくれよ」

 と、某会見のネタをしつこく使うパク・ソユンを、ドン・ヨンファはスルーして切り捨てる。

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