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私が妻です!  作者: ミカン♬


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12/15

リーブ伯爵家は破滅した。

オリバーが失神する数分前、屋敷はオリバーの手下たちに囲まれていたが、更にその周りを王宮騎士団が囲んで、少しの間交戦したが手下たちは降参した。


「貴様らかかって来い! あっけなさ過ぎて消化不足だ!」


団長のテッドリーが吠えたが、まさか王宮騎士団が来るとは思わずオリバーの手下たちは大人しく降参し捕縛された。


手下の破落戸達は油を大量に持っており、オリバーが村を出たら屋敷ごとヴァル達を燃やす算段だった。

まったく悪質極まりない。




「団長、有難うございました」


「おおヴァル、そっちも無事か。よし次は、リーブ伯爵邸に突撃だ!」


部下が二人、団長の前に膝をついた。

「団長、あっちはエイダン副団長が行ってるので問題ないかと」

「あちらは赤子の救出が目的ですから。我々は町まで捕縛者を連行します」


「む、そうか、では連行する。ヴァル、いくぞ!」


「はい!」

ヴァルは敬礼をして団長率いる王宮騎士団の後を追った。



エルシーとマーサは騎士団を見送っていた。


「大丈夫ですか?怖くなかったですか?」


「うん、オリバーを殴ってスッキリしたわ」

エルシーは少しトラウマを克服できた気がした。



「洗脳なんて本当ですかね?浮気がバレて下手な言い訳を考えたのではないですか?」


「まぁ、それは考えてなかったわ。でも、そう疑われても仕方ないわね」


マーサーは「ふぅー」とため息をついた。


「他の女を妻にすると私達に宣言したんですよ。思い出しても腹が立ちます。本当に旦那様を許せるのですか?」


「一からやり直したいの。私達、夫婦らしいことって何もしていなかったもの。マーサ、夫婦って何をしたらいいのかしらね」


「はぁ~ 今からご教授致しましょう。冷えてきましたからお屋敷に戻りましょうね」


「私はポールとマーサみたいな夫婦になりたいわ。レノみたいな子どもも欲しいの」


「子どもですか・・・」

ちょっとそれは難易度が高いなと、マーサは思ったのだった。



     *****




オリバーたちが捕縛された頃、リーブ伯爵邸にはエイダン率いる王宮騎士団が踏み込んでいた。


「これは何事ですか!」


リーブ伯爵が慌てて出迎える。


「こちらで忌み子を匿っていますね。規定違反で連行します」


「ええ、いやあれは護衛の子で・・・決してそんな」


伯爵はオリバーの悪事を知っていたようだ。

王宮の騎士達が迷うことなく別宅に向かって行くのを伯爵は苦い顔で見ていた。


別宅を警護していた護衛騎士たちが剣を抜いて行く手を阻み、一触即発状態になった。


「歯向かうなら切り捨てますよ。剣を納めなさい!」



「全員動くな!」誰かが叫んだ。


別宅から赤子を抱いた男が出てくる。


「馬鹿か、王宮騎士団に敵うわけないだろう、お前ら剣を仕舞え!」


エイダンが進み出ると────

「件の赤子だ。渡すから剣を納めてくれ」


男はエイダンに赤子を差し出した。



「ダン殿ですね。確かに受け取りました」


エイダンは腕の中のシャリーを見て【妖精の瞳】を確認した。


「もう大丈夫ですよ。ふふ、これは魅了されるわけですね。可愛い子だ」

エイダン29歳独身、子どもが少しだけ欲しくなった瞬間だった。



一件落着すると、街に団長の一行が到着した。


町民たちは何が起こったのかと不安げに家の中から外を窺っている。


街の広場に捕縛された者たちが並べられて、その中にリーブ伯爵がいるのを見て町民たちは歓声をあげた。


「伯爵はまだまだ叩けば埃が出そうだな!家宅捜査を行うぞ!」


悪事の証拠が出るわ出るわで、この日リーブ伯爵家は破滅したのだった。



ヴァルは無事だったシャリーを抱きしめていた。

シャリーも慣れた心地良い安心感に包まれて眠っていた。


「ヴァル、分かっていますね。この子の為です。こういった災難から救うためにも教会で封印を受けましょう」

エイダンに説得されたがヴァルはシャリーの保護者ではないから決定権はない。


「ロージーが納得するとは思えませんが」


「とりあえず、貴方もロージーさんも規定違反で連行します」


「分かりました。よろしくお願い致します」



もうシャリーと家族ではいられなくなった。

いい加減ロビンにロージーを引き取って欲しかった。

ロージーがロビンと手紙のやり取りをしていたが内容は知らない。


ヴァルにはエルシーという妻がいる。

いつまでもロージーの世話をしていられない。


シャリーにはきちんとした保護者が必要だ、それはもうロビン以外にない。

父親のフレッドなどは論外だ。


事件は解決し、エルシーも無事だった。

ヴァルは王宮騎士団を解雇されても悔いは無かった。


読んで頂いて有難うございました。

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