表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/25

幸運の適量

 幸せに満ちていても足りなく感じるのだから、人間と言うものは、何処かに穴が空いているのだろう。





 朝昼晩に祈りを捧げると、食事が出てくる。


 衣服だって、高価ではないが、綺麗なものが出てきたり、清潔になって置かれている。


 身体を綺麗にするお湯だってある。


 贅沢なものだと思う。


「贅沢だと感じるのは、心が卑屈になっていることもあるものさアサギ、よく言うだろ幸運とは受け入れ過ぎず、拒み過ぎずとね、まぁ、そんな言葉通りに生きてたって、それで幸せになれるとは限らないのも人生だ」


 そう言うと、紙の体をヒラヒラとさせながら、慰めているのか、どうかあやしいものだ。


 しかし、流されるまま、頼りきっているが、よくよく考えたら、何一つ理解できてないまま、ここに居るのはおかしなものだけれど、他に行くところもないのだ。


 今はそう言うものだと、お言葉に甘えさせてもらおう。


 そう思ったのだか、やはり、ざらざらと心が落ち着かずどうしたものかと、もう一度ミサカに相談をしてみる。


「甘えさせてもらおうと思うようにしたのに、心苦しいと、お酒でも飲んだら良いよ、アサギのおかげで、お酒には困っていないから」


 ちゃぶ台に用意したお酒を、くいっと指し示す。


「いや、そう言うのではなくて、自堕落な方向性ではないというか」


「まぁ、概ね理解はしているよアサギ、自分のやっている事と待遇が不一致で、それによって不安を抱えていると言うことだろう、それを解決するには、やっている事を増やすか、待遇を減らすかだけど、増やした方が、自堕落性はないと思うからね」


「ありがとうございます」


「自堕落的な方向性の方が、こちらとしては、楽だったけれどしょうがない、じゃあ明日辺り、街にいくから心の準備をしておいてね」


「 あぁ はい  わかりました 」


 顔の筋肉が、強ばったせいか、喉が押し潰されるような違和感をかんじたからか、声を出すのが少しだけ、つらい。


「そんな顔されてもね」


 言葉につまった、私を見てヒラヒラと舞い上がり頭の上に乗ってきた。


 不思議なもので、少しざらざらとした不安は消えていた。


「まぁ悪い様にならない為に、こっちも用意があるから大丈夫」


「わかりました、ところで街に何をしにいくんですか?」


「お酒を売るにあたって、許可をとりに行くんだよ、黙って売ったらカドがたつからね」


 自堕落的な方向性ではないけれど、何処かしら不安はあるにせよ、ざらざらとした不安は小さくなり、消えてしまいそうなぐらいに、それは小さくなった頃に、ミサカはまたヒラヒラと、頭から舞い降りてお酒を飲もうとしていた。


「景気付けに一杯だけ飲むといい、一緒に飲もうか」


 私はミサカの為に祈り、そして私も一杯だけお酒を飲んだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ