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勇気の葉

作者: 天江 蜜柑

あの木の葉が散ったときに私の命も終わるんだ。

こんなセリフ、ドラマの中の話だと思っていた。でも、先生から告げられた言葉を聞くと脳裏にこのセリフがよぎった。

手術しても成功確率は50%

受けなければ半年の命

両親は私の好きなように決めていいと言った。

でも、私はどうしても決めることができなかった。選択するのが怖かった。

だから窓から見えるイチョウの木の葉に自分の命をかけてみようと思った。

もし、1週間以内に散った場合は手術を受けない。散らなかったら、受けてみよう。

そう決めてからあっという間に日が過ぎた。

今日がその日だ。この1週間に大量にあった木の葉が散っていった。今まさに、最後の一枚が散ろうとしている。

ビューっと、強い風が最後の葉を飛ばそうとしている。瞬きをした瞬間に葉は私の前から消えていた。

自分の今後を思い、どうしても少し下を見てしまう。最後に1度木の様子を見ようと、顔をあげると、

そこには、


大きな葉っぱがあった。

いや、正確には、折り紙で作られた葉っぱをクラスの男子が持っている。

慌てて窓をあげると、下から聞きなれた声がたくさん聞こえた。

『また遊ぼうね』

『元気になれよ』

『みんな待ってるから』

『頑張れ』


学校のみんなだった。


やっぱりあのセリフは作り話だ。

だって、散っても誰かが咲かせてくれるから。そして、私は手術に成功するから。


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