或いはある発達障害者のとりとめなき気付きと哲学の記録
ワタシは小島信夫の別れる理由が気になる。私生活を描きながら馬に変身してみたり意味の変容の森敦との対話で締めくくられるだらだらしたとりとめなき小説だからこそ出来えた哲学を呈示した要約を拒絶されかねない大長篇である。
別れる理由論も書かれていた坪内祐三が亡き今改めて分裂病当事者として別れる理由を読むワタシが死せる小島信夫に寄り添いながら始めも終わりも唐突なまるで現実の人生のような別れる理由を読むワタシの生活を小説として記そうかと思ったのだ。
ぼくには始めと終りがあるんだこうして長い間空を見てる
音楽いつまでも続く音楽踊っている僕を君は見ている
坂本龍一バレエメカニックの歌詞より
坂本龍一は岡田有希子のためにワンダートリップラバーとしてバレエメカニックを書き下ろしたがやがて中谷美紀が歌詞を書き下ろしクロニックラブとなった。三曲を聴き比べては岡田有希子を偲びたい想いになる。岡田有希子が死んだと友人から伝え聞いた春の昼下がりから何年が経過しただろう。近所の染井吉野も散って葉桜になりかけているなかで誰に宛てるでなくこのことばを紡いでいる。ボクはどこに向かって生きていけば幸せになれるのであろうか?ボクは分裂病。やがて自閉スペクトラムと精神科医に診断された。病気と貧乏と闘いながら宛の無い言葉を紡ぐ。いま幸せだろうか?不幸だろうか?ただ分からないままにまた大不況がやって来ている。しかもよりによってコロナパンデミックだ!生きていて意味がないし死ぬのもまたバカらしい。だから心臓だけはたらかせて生かされて生きる。たまに興に乗ったら本を読み短歌を創る。死ぬまで病気と貧乏は付きまとうのか?このことばで救われる人がいたらいいな、淡い願いを込めて、分裂れる理由を始めようと思います。