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童話シリーズ

片付けない子

作者: 綾小路隼人

イギリスのとある街に、エマという女の子がいました。

エマは明るい子でしたが、ひとつだけ欠点がありました。

それは、片付けができない事です。


エマの部屋は、本やおもちゃなどの物が足の踏み場がないほど散らかっていました。

お母さんから「片付けなさい」と叱られても片付ける様子はありません。

そのせいで、本は本棚に戻してもらえず置きっぱなし。

積み木やぬいぐるみは床に放ったらかしにされてホコリだらけ。

文房具は机の引き出しの中にいいかげんに入れられる。

自分の家がちゃんとあるのに帰してもらえない物達は悲しんでいました。



その夜、エマは夢を見ました。

それは、部屋の物が無くなってしまう夢です。

部屋はすっからかんになっていて、エマは困ってしまいました。

物がどこに行ったのかお母さんに聞いても、「何度言っても片付けないから無くしたんでしょ」と言われただけです。

エマは焦る気持ちで只々家中を探し回るしかありませんでした。


すると突然視界が明るくなり、エマは目を覚ましました。

目をこすって部屋を見回すと、物はちゃんと全部あります。

エマはさっき見た夢の内容を思い返しました。


「きっと、部屋をいつまでも片付けないから物達が怒ってどこかへ行っちゃったんだ……」


そう考えると、今まで片付けをしなかった事に罪悪感を覚えました。

そして、物達にはそれぞれ思い出があった事を思い出しました。

どれが可愛いか選んで買った文房具、友達から貰ったぬいぐるみ、数年前にクリスマスプレゼントに買ってもらった本。

それなのになんで大切に扱わなかったんだろうと思い、エマは物達に「ごめんね」と謝りながら、部屋の掃除をやり始めます。


物達はやっと家に帰してもらえたと喜び、この日を境にエマは、物を使ったらちゃんと片付けるようになりました。

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