マッチ売りの少女
マッチひとすり火が灯る
マッチ売りの少女は夢をみた
ぬくもりから連想されるものを
ありったけの想像力で
そして朽ちた
凍死や飢えのせいじゃない
一生分のぬくもりを使い果たしてしまったから
夢は無限だという人がいるけれど
夢見るにはぬくもりがないと
生きていることを赦されたぬくもりが
マッチ売りの少女の心の中にある
ぬくもりが消えてしまえば夢も消える
雪に埋もれてゆく少女のそばを
人々が足早に通りすぎてゆく
馬車が泥のついた雪をはねて駆けてゆく
誰も少女を気にしない
雪だけがつめたいぬくもりをかけてゆく