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貧乏彼氏が欲しい。  作者: ミニマム太郎
2/2

同居開始。

「あの、泣いてますよね。」

奏多の単刀直入な発言にも、お姫様はビクともしなかった。

「泣くも何も、あなたには関係ない。」

お姫様は真っ赤なドレスのすそで涙を拭いた。


「で?家ないんでしょ。」

「え。」

「図星だった? なんとなく分かったのよ。話し方とかで。」


お姫様は信号で停止すると、奏多のほうを見た。

お姫様はズボラそうに見えて、意外と勘が鋭いと奏多は思って苦笑いした。

「世の中大変よね。さ、しばらくかかるから寝てたら?」

「あ、はい」

なんか、逆らったら怖い目に会いそうだ。と奏多は思い、まぶたを閉じた。



二時間経った。

日が登り、真夏の太陽がギラギラと輝き始めた時だった。


「おはよう。」


しばらく寝ていなかった奏多は、久しぶりに寝れたことの嬉しさで、頭がいっぱいだった。

奏多は、嬉しさを顔全面に表し、頷いた。


「これ。」


お姫様は真っ赤なドレスの小さいポケットから鍵を取り出した。


「5年前から計画してたの。狂わせるようなこと、しないでよ?

これは私の秘密基地の合鍵。

あなたはこれから、私の執事代理として働いてもらうわ。

そうね、時給2000円。」


驚愕の数値に奏多は、目を見開いた。


「心配しないで。お金はいくらでもあるの。

あと、秘密を守ってほしいの。

私のことを誰にも一切、話さないで。」


お姫様の圧力に、奏多は頷くしかなかった。

早いスピードで進んでく展開に目配せしながら耳をすませた。


「到着。」


お姫様がリムジンを止めた先には、大きな豪邸。

二人で住むには大きすぎる。

マンション一個分は余裕である土地に、足を踏み入れた。

お姫様はリムジンを颯爽とおりて、髪を風になびかせた。


「あなた、名前は?」

「空打…奏多です。」

「じゃ、奏多。私は、金成紅葉よ。」


紅葉はお姫様らしく体を折った。

奏多も、慌てて体を折る。

紅葉は奏多に、人差し指をちょっと曲げて、ついて来い。と合図した。

紅葉は豪邸の本の一部にしかすぎない、(実際は大きいが、豪邸に比べればかなり)小さい扉に、鍵を差し込んだ。

慣れた手付きで扉を開けて、中へ入った。

真っ赤な絨毯とドレスは、紅葉の美しさに、さらに花を添えた。


しばらく歩くと、大広間が顔をのぞかせた。鮮やかな色の絨毯に足をのせると、ふあっと足が帰って来そうだ。

「ここは食事の時使うわ。風呂はここの隣の扉。」

紅葉が大まかに、説明しているが、サッパリ奏多には理解できない。




そもそも、ここが何処かさえ、わからないのだ。



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