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惜別と決別は別格にして別儀 

『真の春の花』へ贈る


終わりにしよう

すべてを


キレイに取り繕った仮面の下で

真っ赤な下を伸ばして唇を舐めながら

黄色く蠢く邪な瞳は一体何を眺める?


どうせどんなに焦がれたところで

手を伸ばしきったところで

その先にあるのは”すっぱいブドウ”

永劫に手の届かないハリボテだというのに



終わりにしよう

あくまでも


悪ぶって、純情

艶めいて、貧相

強がって、やせっぽっち


どこまで行っても所詮見栄

周りに見透かされ、自分さえ騙せず

誰からも見抜かれた嘘とも云えない哀れな虚構を

一体いつまで羽織るというの?



終わらせよう

金輪際


仮面を打ち砕いて

見栄を脱ぎ捨てて

しがみ付く歪な虚栄を投げ捨てて


怯えないで

世間はあなたの云う通りきっと寒い

けれど絶対にそれだけではないから


悲しまないで

世界はあなたの想像以上に暗くて寂しい

けれど必ずそれだけじゃないから


泣かないで

あなたの涙は嘆きでも怒りでもない

それはただの絶望だから


悔しければ自分で歩いて

いつまでそこにいるつもり?

誰も手を引いてはくれないよ



終わりにしよう

今すぐに


だって私は忙しい

だってみんな無関心

私はこんなにひ弱で

とてもあなたを担いでは走れない


自分で歩いて

甘えようったってそうはいかないよ


けれど困ればいつでもここにおいで

私はいつでもここにいる


見えなくても聞こえなくても

匂わなくても触れなくても



終わりにしよう

今までを


けれど、私はずっとここにいる


後悔だらけで目も当てられないけど、

今この時を後悔はしない

一つの物語の終わりは全ての終わりなどではなく、

新たに紡がれる物語が暗いものとは限らないから

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