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秋になった。

病室の窓から紅葉が顔を覗かせていた。

蓮はこの前から変わらずこの部屋に来ていた。

だが明らかな変化があった。

蓮がよく私を見るようになったのだ。

目を合わせるとそらされる

まさか、この前のがバレたわけではないかと不安になる。

この気持ちは、ずっとしまうべきものなのだ。

辛くなってしまわないように

すぐ捨てられるように


========================

『葵ちゃん…すまない…』

『もしかして』

『…すまない、本当に』

『寿命が、残り半年しか残っていなかった…』

『え?』

========================


この幸せが続けばいいのに。

できれば、蓮のそばで、おばあちゃんになっても、そばにいたかった。

死にたくない

でも、そんなの思ったって無駄だ。

お父さんもだったはずだ。

きっと『娘が大人になるのを見届けたい』と思っていたかもしれない。

蓮やお母さんに悲しい思いをさせてしまう。

それだけで、こんなにつらいんだ。


「なぁ、将来の夢って何?」

「いきなり何」

「いや、ガッコーで聞かれたから」

「学校…行ってんの?」

蓮が来るときはだいたい昼なのに…

「行ってるよ」

蓮はそっぽを向いた

葵は思った

嘘だ、絶対不登校だ

「…将来の夢なんなの?」

「医者」

「…そう、その癖に不登校なんだ」

「言うんじゃない」

蓮は不機嫌になったようだった

正直私には感情の違いが良く見えないから、蓮の子供のような感情の幅は嬉しい

「葵は何?」

「夢か…きっと叶わないんだろうな」

ふと、本音が出てしまった

「…は?」

「あと半年なんだ 余命」

蓮はいつもは見たことのない悔しみのような、怒り?切なさが混ざったような表情をしていた。

「あと半年だけなのか?」

「うん、あと半年もあるから、今のうちに旅行とか…」

「…諦めるんじゃねーよ」

…え

「あと『半年』しかないってふざけんな…もっと生きていたいっていえよ!…いま葵は泣いてんだぞ…」

頬に水滴が流れている

蓮に言われて気が付いた

私も本当は

「…生きたいよ、自分の夢も叶えたい!」

「じゃあ俺が、絶対、絶対、絶対、立派な医者になって葵の病気を治しに行く!」

「ほんとに?」

「ああ、絶対治して、俺と一緒に生きよう。」

「それってプロポーズみたい」

「悪いか」

「…意外と奥手…」

「うるせえ」

この時重なった唇はきっと忘れない

とある病院で二人の看護師が話していた

「ねえ、聞いた?数年前にコールドスリープした女の人」

「聞いた聞いた!見に行ったんだけど、美人だったわよ、あのアイドルにそっくり」

「それよりさ、院長さんの息子さんアメリカ留学から帰ってきたんでしょ」

「見たわ!すっごいイケメンだったわ!」

「噂によれば、女の人の彼氏らしいわよ」

「そんな、まさか~」

「あっ、あの人だわ!」

そこには金髪の男がいた

男は窓越しの彼女を見た

「それではこれより、葵さんの手術を行います」

絶対治して見せる

男…蓮が氷ずけから解放された女の手を握った

次回、最終回

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