出会い
白い部屋、または
何もかもが白い部屋は、正直少し嫌いだ
そこに似つかわしくない色とりどりの花々。
長らくあっていない母からの贈り物。何が入ってるかが怖くて、開けられていない。
そういえば、最後に母にあったのはいつだろうか
私が父とおなじ不治の病になったと診断され、入院してから徐々に母が私に会う回数も減っていった。
きっと、父と同じように弱っていく私を見ていくことが出来なかったのだろう。
元気に動かせていた四肢が今はもう、歩くので精一杯
ーーーー.........
扉の開く音が聞こえた。
「あら碧ちゃん、起きてたのね」
「由紀さん、またサボりですか?」
由紀さんはここに働いて3年になる。
入社当初から私のご飯を運んだりしてくれたので、自然と仲が良くなった。
強いていえば、私の部屋で休むのはやめて欲しい。
「いいじゃない、パワハラ上司から逃げられる口実を作れるのはここしかないんだし、それに...私が碧ちゃんに会いたいだけなの」
「.....今回までですよ」
「ありがとう!あとねいいもん持ってきたよー!」
由紀さんが持ってきた荷物を漁り始めた。
バックの中は四次元ポケットのように何でも出てくる。正直何年もこの病院にいるが、このことだけは意味がわからない。
「由紀さん、今日は中庭に行きたいので、車椅子に乗せてください。」
さっきまでの殺風景な部屋とは違う、生きているような姿をした色とりどりの姿をした緑。そしてほんとは良くないが、猫が多いのだ。
思いっきりひとりでダラダラしていると、膝の上に真っ白な毛のもふもふな猫が乗ってきた
「今日も可愛いなぁ... 」
「ーー!!...!」
そして不思議なことが起こるのがこの病院の特徴だ。
ガッシャーン!!という聞いたことの無い音が鳴った。よく見ると病院からこちらに飛んだ(窓に衝突して)来たようだった。
そこにいたのは、この田舎には似つかわしくない、金の髪の男。
これが出会いだった。