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黒いセーター

 セーターの季節になると思い出すのは冬の到来。黒いセーターをいつも彼は着ていた。

細い黒い毛糸で編まれて黒いセーター。冬の間はどんな時も着ていた。ぼろぼろになるまで。

お気に入りのセーターなのだろう。ぼろが見つかるたびに新しい黒の細い毛糸で編み直していくぐらいに。手先が器用な彼は何度も自分で直していた。

 どんな物も器用に作って、壊れたら自分で修理する。その繰り返しだった。

 彼は多くを語らない。無言で静か。しかし、存在感は確かにある。知らぬ間にすっと周りに溶け込んでいる。そして、すっと離れてしまう。

独りぼっちというわけでは無いが、どこか独りを愛している。彼はそんな人物なのだ。

 彼は黒いセーターを着ている。どんな時も変わることなく。黒いセーターと言えば彼のことを皆が思い浮かべるぐらいに。

 すべての物を黒で統一されているのが彼の部屋だった。差し色を入れることもあるがベースは黒。クローゼットもベッドもテーブルも。部屋の家具すべてが黒だった。

彼に渾名を付けるならば、ミスターブラックだろう。それぐらい黒色は彼にとって身近な物なのだ。

 今年の冬も彼は黒いセーターに身を包み、過ごしていくのだろう。いつものように変わることなく。

黒色だけが彼にとって安らぎを与える色であるためにーー。

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