49·チートを探して、その3ん……
あぁ、もうこんな時間か。
安定所に隣接して……ある、だよね?
ここ、このカフェ。何かオシャレだな。
パンとかいっぱい種類ありそう。
「ヴ、う……んん」。
ん……起きそうだな、この男。
「ん??ここはどこ?」。
このヤロウ、[私は誰]なんて続けて言うなよ!
「俺は……僕は」
ん?そう言えば、アタシこいつの名前、アタシ知らないんだった。だから
「お前、名前なんて言うんだ?」
男は、は!!
「おま?誰ですかあなた?」
こいつ、今アタシのこと[お前]って言おうとしたな。まあいい。初対面の相手に失礼な!
ミゾオチに(拳)入れたアタシが言える立場じゃないんだがな。
「とりあえずソファーから起きて水でも飲めや」
ここは親切に促してやるか
そう、ここは飲食店、カフェなのだから。
「あぁ……はあ、ありがとう[ごじゃり]ます」
うは!!
今こいつ、なまった!
ありがとう[ごじゃり]ますって!そして
だけど、アタシの当て身(殴る暴力)忘れてくれてるな!こいつ、良かった。
ん?こいつ
ん??こいつ今どこ見てる?こいつの視線の先には
ああ、サーバーか。
ドリンクの?ウォーターサーバ?……。
喉かわいてるのかな?
「ドリンクバー、頼むか?」
だから聞いてみた。
「いいんですか??」
いいんですかって?飲みたいんだろ、お前。
「いいよ、経費でおとすし」
まあ、カサゴさんはそんな[小言]言う女性じゃないしね。
カサゴさん、そもそも人間じゃないし。
「あと、何か食うか?」
昼、過ぎちゃったしな……。
それにこいつ無職だろ。
男性の顔は少し血色が良くなる……か。
そして
「はぁ……ならぁ~、ランチ……の、ん??
あぁ~もう昼過ぎてるのか……」
そこで男性の顔が少し下がるわ。
解りやすいヤツだな。
再度顔を上げ
「では~、セット。Cセットお願いします」
「ええと??」
ああ、まだあたしの名前言ってなかったな。こいつ、アタシをどう呼ぶか解らないんだ。
名前だけ自己紹介、言っとくか。
「ムツリだ、陸奥理 静だ」
握手でも交わすか
あたしはテーブルの上に左手を差し出した。
初めてムツリの漢字名記載!




