44·薔薇色の日々……5
ゆらり……。
再び??再び?私、ムツリの視界は変わった。
どれくらいかな?ボォ~とした意識の中で。
「静、行くぞ」
はっ!?
誰かの??誰の?声だっけ……。と……と……。
そして
そして、ずいぶん周りの物が大きくて。なぜ??
ん??大きい?違うのか?目線か!?
目線が……低い??低いのは私?
ここは屋外か……天井、空を見上げると!!
大きなひしゃくのワイヤーフレームが!!
はは!!ワイヤーフレーム!否!
北斗七星!!はは!あの日だ!
「静、今乗せやるからな」
だからその声は
父さん
もう……会えない。父さんの声。
そうか。ここはやっぱり……あの世か……。
「違うよ。最上階。」
誰!?猫?猫柳の声じゃない!誰?
「ムツリ、一先ずお別れ。その時まで」
だから誰??お別れ?何の?
「走馬塔。
もちろん塔だから天辺、最上階はあるよ」
「ムツリ、君が次に目が覚めたら此の世。
生きてる者の世界……世界」。
何言ってんだ??何……。
なら??なら何で今までの……を見せた?
「薔薇色の日々……ムツリ、望んでるんだろ」
薔薇色の日々。私が夢描いた……望んだ
あの日の夜から……。




