38·the ハード、その3、ネコ
点々々……
真っ暗で、まっくらだ。
此処は何処でしょうか?目を開けても閉じても真っ暗です。
夢??
ゆめですか??夢でしょうか?
夢なのでしょうか?夢だとしたら一時眠ったのでしょう?
ーーー
「夢じゃありませんよぉ~ムツリさん。ムツリさん夢じゃありません」
誰だか聞き覚えある声だね。誰だっけ?
この、いかにも小物風情な声。例えるならチビ太……
みたいな。
「んな!!失礼?な」。
「なにがチビ太ですか!私は猫柳、貴女の先輩上司にあたるネコの猫柳先輩ですよ」……
ネコやなぎぃ~……。
そぉ~いえばぁぁいたなぁ~そんな奴……
「でっ!!人の心の声を読むんじゃない!」
「でもぉ~中々起きないから……」。
「目を開けたまま眠るなんて器用な緒方だ貴女は」
あれ!んあれぇ~?
回りは真っ暗なのにこのネコ、このネコはハッキリ見えるよ!?何で?
「あぁ~……あ、貴女はつまり死にそうなんですよね、何て言うか……瀕死……」「みたいな……」
「え!?死ぬの?私?」
38話始まって。いきなり何で!?
「そうですねぇ~それなんですが。あの場所で~て、セントラルパーク……ニューヨークの。その場所でムツリさんと白烏さん爆弾解体?処理してましたよね」
ん??
あ??…….
「ん?あぁ~……あ!そうかも……」
なんとなく思い出してきたかな。
「でぇ~はっきり言ってぶっちゃけ、失敗したんですよ。爆弾処理……覚えてます??ムツリさん?」
「あ!!あ~……そうかも!」
「で~その衝撃、爆発の。破片やら何やらでムツリさんの身体のあちこちが~……スプラッター?みたいな~、で、ムツリさんの意識も今はショック状態な、みたいな」
みたいな…….
[みたいな]多いなネコ……猫柳パイセン。
「で……死んだのか私。めでたく亜の世か此処は」
ふぅ~…….自生の句言ってみたかったなぁぁ~~,。
「だから違いますって。解らない女性だなぁ~貴女は」
なんかこのネコ……腹立ってきたな……。
「回りクドイんだよネコは。もっと簡潔に言えや!!大体何でオマエがいるんだよ?」
真っ暗だし、ネコだけ??ん?私もか!
私の身体もはっきり見える!腕とか手とか、私の。
「んん……何て言えばいいのかな。此処はいわゆる亜の世と此の世の境……中間的な、て……的な」。
あぁ~そうかぁ……
「なるほどな!生きてもないし死んでもない。
そう言う事な。初めからそういう感じに言えば良いんだよ!ネコが!」
ん??だとしても何でネコが此処に居るんだ?
「何でネコは此処に来れたんだ?」
「それはぁ~……」
「それは!?」
「まあ、ネコっていうのは昔から亜の世と此の世を行き来できる、そう言うことになってますから」
ん??んん?……マジで!?
「まあ詳しい事は[さち様]とか[Libra様]とかに聞いてください……」
いや……
※ いや!![さち様]と[Libra様]の存在、これだけ読んでる読者様方々わからんから!




