表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/620

98.闇が動き出す

第6章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 俺の新技【魔導霊気】によって、ブルガンリルム王国最強の冒険者【レオン・スティーブ】を圧倒した。


 しかし、勝利の余韻に浸る暇もなく、身体は指一本すら思うように動かせない状態だった。


「ウェル! しっかりしてくださいませ!」

「大丈夫アルか!?」

「お、おい!」


 リーズ、テンちゃん、ビリーが声をかけてくれるが、俺は地面に膝をついたまま、全身に力が入らない。


 トットットッ


 そこへ、ルミネスゲートのギルドマスター【ゲルド・ダスティン】が駆けつけた。


「ウェルくん! 大丈夫か!?」


 肩にはエリスお嬢様が乗り、勢いよく飛び降りて俺の元に駆け寄る。


「ウェル! しっかりするのじゃ! またこんな無茶しおって…」


 エリスお嬢様の声には、心配と苛立ちが混じっていた。俺はこれまで何度も無茶をして倒れ、そのたびに身体が疲弊していった。


「とにかくマジックポーションだ!」


 ユルゲンはすぐさま俺に魔力を回復させる薬【マジックポーション】を差し出す。


 ごくごく。


 魔力はある程度回復し、ようやく少し喋れるようになった。


「う…身体がだるい…」


 それでも、ほとんど身体を動かすことはできない。


「たぶん、【気】を大幅に消費したから体力が回復してないアル」


 テンちゃんによれば、【気】の消費はそのまま体力の消耗に直結するという。


「霊力もなくなれば脱力感に襲われますわ!」


 リーズ曰く、霊力も魔力同様に枯渇すると力が入らなくなるらしい。


「…とりあえずベッドに寝かせないとな…。次の試合では戦えないだろう」


 ゲルドさんは会場の治療室へ、俺を支えながら連れて行く。


「妾も一緒に行くぞ!」


 エリスお嬢様も付き添う。


 トットットッ


 ゲルドさんとエリスお嬢様に支えられながら、治療室へと向かう俺。



「…ウェル…心配アル」

「…あいつがそう簡単にくたばるわけわねぇ! 俺たちは試合に集中だ!」


 ビリーの言葉に、周囲はハッと我に返る。


「…そうですわね。優勝してウェルを驚かせて差し上げますわ!」


 次にウェルに会った時の笑顔を胸に、一同は試合に集中することを決めた。



 一方、ブレイブハートの控室では。



 レオンは膝をつき、魔力を大量に消費して座り込んでいた。


「レオンさんが負けるなんて…!」


 ブレイブハート一同は、S級冒険者の敗北に言葉を失い、現実を受け止められずにいる。


 トットットッ


 そこへ、ギルドマスター【デューイ・スターク】が現れた。


「ギルドマスター!」


「…相手は我々にとって十分強敵。よく頑張りました」


 敗北したレオンを称えるデューイ。


「それにあまり悔しそうじゃありませんね?」


 デューイはレオンの表情を覗き込む。


「…そう…ですね…」


 敗北の悔しさはない。

 レオンはジェネラルベヒーモスの時から、ウェルの才能を注視していたのだ。

 彼は将来、S級冒険者の先を行き、英雄と呼ばれる存在になる――そう信じていた。



 ――2時間後。



「さぁ! お待たせしました!

氷を溶かすのに時間がかかってしまいましたが、試合を開始したいと思います!!

次の試合は【アイアンタートル】VS【アトモスロード】!!」


 レオンの魔法で凍った会場を整備するのに時間がかかったが、試合はついに再開される。


「誰がビリっけつのカメだとーーー!?!?!?」


「いや、言ってねぇよ!!!」


 アイアンタートル大将の冒険者A+2【シルト・クレーテ】の空耳に、他の冒険者たちは即座にツッコミを入れる。

 対照的に黙したアトモスロードの戦士たち。


「さぁ一体どっちが勝つのか!?」


 実況者も観客も勝者を予測できない。



 しかし10分後。



「なーーーんと!?!?!? アトモスロードは今回も圧勝だ!!! 先鋒だけで大将まで戦うことになったぞ!!」


 アトモスロードの先鋒は動かずとも、次々と冒険者を倒していく。


 そして大将シルトが挑む。


「どんな魔法か知らないが俺の固有魔法【ゲーゲンアングリフ】の敵じゃないぜ!!」


 固有魔法【ゲーゲンアングリフ】は、強力な結界を張る防御系魔法。

 攻撃されると倍の衝撃で反撃するカウンター効果を持つ。

 物理攻撃もステータス異常も、呪いも例外ではない。


 しかし、


「が!?!?」


 シルトも他の冒険者同様、倒れ動けなくなった。


「なーーんと!!! 今回も先鋒だけで勝利を収めたアトモスロード!! ルミネスゲートに勝ち目はあるのか!?!?」


 全試合を先鋒だけで制したアトモスロード。

 次の試合では、ついにルミネスゲートと激突する。



 ――一方、会場の倉庫。



「ふー、これで終わりか」

「そうだな、早く試合が見たいぜ!」


 職員たちが荷物の整備をしている。


「しっかしこんな荷物、予定にあったか?」

「さぁ? 開けて確認するか? 怪しい荷物は確認するよう言われていたし」

「だな!」


 職員2人は、予定外の荷物を開けて調べる。


「な! なんじゃこりゃ!? 人間が入っていたぞ!!」


 箱からは異臭と共に血まみれの人間が現れた。


「し、しかも死んでる!! 緊急事態だ!! 直ぐに上に知らせよう!!!」


「ま、待て!! 俺、この人知ってるぞ! アトモスロードのエース【ジョスエ・マルクッツオ】だ!! なんでこんなところに!?!?」


「おい! 他にも予定外の荷物がないか調べるぞ!」


 案の定、他にも同様の箱があり、そのすべてがアトモスロード所属の冒険者の死体だった。


「じゃぁ…今試合しているのは誰なんだ!?」


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ