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96.決着!【魔導霊気】

第6章完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!


「土魔法【アイアンメイク】ソード!」


 俺は地面に両手を突き、土の魔力を剣に変えるように集中する。

 大地の力を引き出し、鉄の剣を二本精製した。


 そして、一本の剣を納め、再び構える。


「なんと!?!? 剣を折られたから万事休すかと思われたが、その場で剣を作ってしまったぞ!」


 実況者ロムが興奮気味に解説し、会場に俺がまだ諦めていないことを伝える。


「うぉおおおおおおお!!!!!!!!」

「頑張れーー!!!」

「新人でも負けるなぁーーー!!!」


 観客の声援がリング全体に響き渡る。

 オープニングセレモニーでは圧倒的にレオンへの歓声が大きかったが、今は俺も引けを取らない。


「…対策はあるのかい? 剣を再び作ったところで、また凍らせて砕くだけだよ?」


 レオンさんの言う通り、剣は何度でも砕かれる。

 いくら作り直しても、勝負の形は変わらないはずだった。


「【魔導気】制限時間3秒! 【ファイヤブレス】と合成!【炎魔竜気斬】!!!!」


 グリーンドラゴンのファイアブレスを魔導気を剣に融合させた一撃。

 【炎魔竜気斬】は、魔導気で増幅された魔力が剣に宿り、見るからに強力な炎をまとっている。


 俺は勢いよく斬りかかる。


「氷剣【アイシクルブレイド】」


 レオンさんは氷の剣を振るい、空気中の水分を凍らせて巨大な剣に変化させた。

 俺の炎の剣に対して、それで受け止めるつもりだ。


 ズドーン!!!!!!!!


 炎と氷がぶつかり合い、衝撃波がリングの床を震わせる。

 観客席の旗や装飾が揺れ、魔法の結界が光を反射して光の軌跡を描いた。


「なるほど。先程の炎の剣より派手ではないが力の練度が段違いだ。【魔導気】は魔力も格段に上げてくれるのだろう」


 レオンさんにとって、【火炎獣剛剣】は片手で受け止め、凍らせることができる程度の攻撃。

 しかし、【魔導気】を組み合わせることで威力は増幅されている。

 派手な火柱を放つ技よりも、圧縮された力は見た目以上の威力を持つ。


 逆に言えば、派手さだけで強力というわけではない【火炎獣剛剣】は、レオンさんの目には軽く映るのだ。


 そして今、レオンさんは片手ではなく氷剣を振り、全力で受け止めていた。


 ピキピキ


 【炎魔竜気斬】の剣も氷で覆われ、凍結する。


「【魔導気】を使ってもまだ私には届かない。

どうする? ウェルくん?」


 レオンの目は冷静で、だが鋭く光る。

 俺はもう一本の剣を抜き、隙を狙う。


「【魔導気】と【ヴェノム】を合成!【毒魔導気斬】!!!!」


 毒魔法【ヴェノム】は初級魔法だが、耐性のない相手には致命傷を与える威力がある。

 さらに【魔導気】で強化され、毒性は桁違いに増していた。


 かすっただけでも、レオンの身体を蝕む――そう計算して放った一撃だった。


 ガッ!!


「ぐぅ!?」


 しかしレオンさんは避けながら腹に蹴りを入れてきた。

 不意打ちも完全に防がれる。


 ズザザザー!!


「良い線いっていたよウェルくん。しかし、これぐらいではまだまだだ」


 数々の戦場を勝ち抜いたレオンさんには、俺の戦略は予想の範囲内だった。


「…やっぱり奥の手を使わないといけませんね」


「…なに…?」


 まだ奥の手は封じたまま。

 この時点では、他の方法で突破口を探っていたのだ。


「ここからが俺の本気であり賭けです!」


 俺の奥の手――


「召喚【レナ】!」


 身体が光に包まれ、手のひらから上位精霊【レナ】が現れた。


 「チィーッス! 美少女精霊レナちゃん登場~!」


 小さな妖精のような姿は、誰が見ても愛らしいが口調がギャルだ。


「なんと!! ウェル・ベルク! 精霊を呼び出したぞ! 霊力も使えるなんて多才にもほどがある新人だ!」


 実況者ロムも興奮気味に解説する。


「…それが奥の手なのかい…?」


 レオンさんは疑問に思う。

 光の精霊を呼び出しただけでは、力の差は埋まらないと。


「もちろんレナが戦うわけじゃありません! レナ! 融合するよ!」


「オッケー! チャチャッと倒しちゃうぞ!」


 レナが俺の身体の中に入り込み、光を発する。


「レナの霊力。そこに【魔導気】を加える!!!」


 光の柱が立ち上り、力が桁違いに増幅される。

 会場の空気は震え、観客席も魔法の光で鮮やかに彩られた。


 ズアアアアアアアアアアア!!


 魔力、気、霊力――三つの力が融合した俺の力は、圧倒的で計り知れない。


「…これは驚いた…」


 レオンさんもその力を認めた。

 三つの力が合わさることで、先程の【魔導気】すら凌駕する威力となっているのだ。


「これが俺の奥の手【魔導霊気】だ!!」


 ズバ!


「…な…!?」


 レオンさんの脇を斬り、知覚できない速度で接近する。


 ズガガガガガガ!!!!!!!!


 応戦するレオンも、追いつくことは叶わない。

 致命傷を避けるので精一杯だ。


「氷剣【フリーズブレイド】!」


 レオンさんは足場と周囲を氷漬けにし、俺を封じようとする。

 しかし、光の熱によって氷は弾かれ、凍結させることはできなかった。


「な…なぜだ!?」


「…確かに光と氷は相反する属性じゃない。

でも光は熱を生み出す。だから強力な光なら氷漬けを防ぐことができると思ったが正解でしたね」


 光は闇と相反する属性だが、熱を伴うことで氷の攻撃を打ち消すことができる。


「なるほど…まるで太陽の光だな…。なら私の奥義が勝るか勝負だ!」


 レオンさんはついに本気を出す。

 最初は俺の実力を測る余裕すらあったが、今は全力で戦いを挑む。


「氷剣奥義【アブソリュート・ゼロ】!!」


 剣を地面に突き立て、周囲を凍らせる。

 危険度Sランクの魔物、ジェネラルベヒーモスを一掃した技だ。


「【魔導霊気斬】!!!」


 ズバーーーン!!!!


 俺は縦に剣を一振すると、氷漬けの魔法【アブソリュート・ゼロ】も氷漬けになった会場も、そしてレオン自身も全て一刀両断した。

「面白かった!」


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