08.期待の新人冒険者はショタワンコ!?
第一部完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
超絶イケメンではなく、美少年ショタワンコになった俺は、人形になったエリスお嬢様とココさんと一緒に、近くの街の冒険者ギルドに向かうのであった。
エリスお嬢様は元は人形だが人肌がある。
魂と同化することによって小人のような姿になった。
なので、エリスお嬢様の種族は、人族ではなく小族で名乗っていくようだ。
対する俺は犬族の子供。
ココさんは全身が隠れるローブを着ながら冒険者ギルドにやってきた。
この街の名前は『シーサイドタウン』。
近くに海が面していることからついたそうだ。
冒険者ギルドの名前は『ルミネスゲート』。
そこそこレベルの高いギルドで、それなりに賑わっている。
そして、このギルドこそが、俺が異世界転生してから2年間働いていたところだ。
まさか、また戻ってくるとはな…。
俺はてっきりエリスお嬢様とずっと執事をやるものだと思っていた。
これからは冒険者として、エリスお嬢様も俺も生活がかかっているんだ!
頑張らなくては!
そういえばエリスお嬢様は人形なのにお腹減るのか?
あれ?
エリスお嬢様はどこだ!?
「おぉぉ!! なんだあれは!?
美味しそうなのじゃ!!
おじ様! 一つくださいなのじゃ!」
エリスお嬢様!?!?
なんか勝手に屋台でクレープ買ってるんだけど!?
人形だけど食欲とかちゃんとあるのね!?
「お目が高いねお嬢ちゃん、このお菓子はこれから流行るかもしれない新商品でクレープというんだ。
あと、お代は持っているのかい?」
「そこにいる2人が払うから大丈夫なのじゃ!」
いやまじかよ!
全く勝手な…。
というかクレープなんて前世でもあったのに初めてなのか?
前世でもお嬢様だったから知らないのかもしれない。
いったいどういう家庭環境なのか…?
「では、私が払いますね」
「ココさん、お願いいたします。
無一文なもんで…」
「仕方ありません。
こういう時は大人に頼るのですよウェルくん」
あ! 今子供扱いした!
36歳なのに子供扱いした!
絶対俺の方が年上なのに子供扱いした!
これがいわゆる...
おねショタ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
悪くない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あとクズイチじゃなくてちゃんと改名した名前で呼んでくれた。
さようならクズイチ。
「美味いのじゃ! 美味いのじゃ!」
エリスお嬢様はクレープを満面の笑みで食べて、口の周りをクリームだらけにした。
やべぇ、可愛い!!!
今のエリスお嬢様の身長は20cmだが大人の小族は60cmになるとか。
だからあと屋台のおっちゃんはお嬢ちゃんって言ったのか。
エリスお嬢様がクレープを食べ終わってから冒険者ギルド『ルミネスゲート』に向かった。
ギルドに入ると懐かしい雰囲気。
いや、半年じゃ大して変わらないか。
そして、受付には…。
「あら、いらっしゃい!
初めましての方かしら?」
ギルド受付嬢でエルフ族の『ミリア』さん!
久しぶりに会えた!!!!!
無能なおっさんだった頃からずっと俺の事を気遣ってくれていた人。
まだここで働いてくれて嬉しい!!!!!
そして、相変わらずの凄いボイン…ゴホンゴホン!
「…私だ…ミリア…」
「…あ! あなたは!」
「しっ! とある事情で身を隠している…。
だから名前は伏せてくれ」
「!! …分かりました」
実はココさんもこの冒険者ギルドで所属していたらしい。
当時はこのギルドのエースで誰もココさんに勝てる人はいなかったという。
そんなココさんは突然メイドに転身したのだから誰もが驚いたという。
「私が連れてきたこの者たちは、ある事件に巻き込まれて両親を失ったようだ。
だからここで働かせてもらえないか?」
という設定だ。
俺とエリスお嬢様は身寄りがないからここで冒険者になって身柄を預けるという。
そして、ココさんは顔が効くから、その信頼でギルドマスターに通るそうだ。
「え、でもまだ子供ですよね」
戸惑うミリアさん。
そうだよなぁ、どうみてもただの子供で戦闘できるとは思えないよなぁ。
「実力は確かだ。特に犬族のウェルくんは私より強い」
「え!?!?!?!?」
ミリアさんも驚いたが俺も驚いた。
俺ってそんなに強くなっているのか!?
「なんなら今すぐ訓練場でテストを行ってもいいぞ」
ちょっとドヤ顔のココさん。
確かにココさんが苦戦する闇ギルドの連中を一人で倒したけど…。
俺ってそんなに強くなっているのかな?
正直実感がない…。
そして、俺たちは訓練場にやってきた。
最初のテストは魔法で的を当てるもの。
距離は20mぐらいか?
「面白そうな小僧が入ってきたと聞いて、俺も見に来たぜ!」
ルミネスゲートのギルドマスター『ゲルド』。
筋肉ムキムキのゴリマッチョさんだ。
気さくで誰にでも積極的に話す雰囲気。
俺が無能なおっさんだった頃のギルドマスターは
異動になったそうだ。
この半年で何があったんだろうか?
「久しぶりですね。ゲルドさん」
「おぅ! 元気そうだな!」
あれ? ギルマスとココさん知り合い?
「ゲルドさんとは私が冒険者だった頃の同期で、一度だけパーティーを組んだこともあるんですよ。所属のギルドは別ではありましたが...」
「お前がメイドになると聞いて驚いたぜ!」
一緒に仕事をしたのは一回しかないが、酒を飲み交わすのは何度もやっているらしい。
昔からの馴染みが会話するかのようなやり取りから信頼し合っているのがわかる。
「では早速。あの的に当ててみろ!」
テストは開始された。
では、適当に。
「水魔法『ウォーターショット』」
水魔法『ウォーターショット』。
指から水をショットガンのように撃ち抜く魔法。
初級魔法レベルだが当たると痛いぞ!
ズガーン!
俺は的の一つを破壊した。
「どうだ!」
すると4人の表情が2つに別れていた。
ミリアさんとゲルドさんはめっちゃ口を開けて驚愕していた。
エリスお嬢様とココさんは超ドヤ顔していた。
どうしたんだ?
なんだこの反応は?
「き…君…魔法の威力が強すぎるのは置いといても…詠唱はどうしたんだ!?」
ゲルドさん、すまん、詠唱ってなんだ?
「こ、この歳で初級魔法とはいえ無詠唱で魔法が撃てるなんて凄いです! 逸材です!」
ミリアさん、すまん、無詠唱ってなんだ?
「はっはっは! どうじゃ!
妾のペットの力は!!」
褒めているけど最後のペットで台無しだよエリスお嬢様。
そして、ココさんが俺の耳元でボソッ話しかけてくれた。
「知らないようなので説明しますが…。
固有魔法というのは本来詠唱を必要としない魔法です。
固有魔法『ラーニング』を使用することによって全ての魔法を無詠唱で放てるのです。
あと、初級魔法でも魔力が高ければ威力は上がります」
なるほど。
つまり、炎魔法や水魔法は詠唱が必要で、俺がそれらの魔法を使う時は、ラーニングを通しているから無詠唱で放てると…。
無詠唱を使える魔導師はベテランばかりだそうだ。
初級魔法でこれだけ驚くなら、中級魔法ではどうなるんだろう?
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