594.封印された悪魔
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「《アリストクラキー》だって……!?」
その単語を耳にした瞬間、心臓が一拍、強く跳ねた。
そして、俺は思わずリュシエルの方を見る。
エリスお嬢様もリーズも、まるで時間が止まったかのように固まっていた。
貴族の間で密かに語り継がれる、いくつかの逸話。
ただの迷信やおとぎ話と笑い飛ばす者もいるが、中には古文書や碑文に刻まれ、確かに記録として残るものもある。
――七人の令嬢が願うとき、神が現れ、世界を平和に導く。
――七人の令嬢が死するとき、悪魔が現れ、世界を終末へ導く。
その伝承は、世界樹の《カギ》を持つ七人の令嬢にまつわるもの。
そして、その《カギ》こそが――《アリストクラキー》。
現時点で存在が確認されている持ち主は、エリスお嬢様、リーズ、レナ、ファニー、セシリアの五人。
残る二人は、この広い世界のどこかに潜んでいる。
リュシエルは、アリストクラキーのことを知っているのか?
パァッ――
不意に、俺の頭上に魔法陣が浮かび上がる。
「チーッス! 天使な美少女、《レナ》ちゃん登場~!」
眩しい光の中から、いつもの調子でレナが現れた。
……毎回登場するたびに決め台詞が微妙に変わる…。
今回は《天使》が追加されて《精霊》が省かれた。
精霊なのに…それでいいのか、レナ。
「アリストクラキーの元令嬢であるアタシも、これは聞き逃せないでしょ~!」
そう、レナは一度命を落とし、今は精霊として存在している。
ゆえにアリストクラキーは既に失われているらしいが、それでも自分に関わる話なら黙ってはいられないのだろう。
普段は軽い口調の彼女も、今はその瞳に真剣さが宿っていた。
「精霊で《元》……ということは、封印が2つ解除された一つは、あなたのアリストクラキーなのですか?」
リュシエルの静かな言葉が、空気を一層重くする。
封印が……解除!?
どういうことだ?
「……封印が解除されたとは、どういうことじゃ?」
エリスお嬢様が眉を寄せ、リュシエルに問いかける。
「アリストクラキーによって封印されている《悪魔》のことです」
その瞬間、部屋の空気が、ぴたりと張り詰めた。
まるで、誰かが見えない鎖で俺たちの心臓を締め上げたかのように――。
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