577.聖女は生きていた(2)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
…………
皆、言葉を失う。
リーズが無事だったのは奇跡ではない。
精霊王ユグドラシルさんは、最初からそれを見越して契約を結んだのだろう。
だから――俺たちの目の前に、生きている。
というより紛らわしい言い方するなよ!!
「……よかった……本当に、生きててよかったよ、リーズ……!」
とはいえ本当に生きててよかったと思い、俺は、ぐっと拳を握った。
そして、リーズは、柔らかく、ほんの少し照れたように微笑んだ。
「当然ですわ。約束しましましたもの。――わたくし、簡単にはいなくなりませんわよ?」
その笑顔は、どこまでも凛として美しく、俺たちの胸にまっすぐに届いた。
_______________
それから1ヶ月のことだった。
「やっと……まともに動けるようになった……!」
俺たちは精霊界でゆっくり休息を摂ることになった。
精霊界の1ヶ月は地上界の1日であり時間軸が違うらしい。
それなら1ヶ月休んでも1日しか経たないなら、思いっきり休むことにした。
とはいえ全快するのに1ヶ月もかかるとは思わなかったな。
思えばずっと戦っていたもんな。
ラビリンスでのダンジョンでイザベラの捜索。
そこでラプラスの使徒たちとの戦い。
シュラムとの再戦。
突然、冥界に行って冥途玉に追いかけられて。
その後、シュラムと再会して共闘して冥界のクーデターを沈めて。
冥界から帰還したら危険度SSSランクのアウァリティアとの激闘。
その戦いで魔導霊気、深淵の闇魔法、による消耗に加えて、蓄積されたダメージ。権能【竜樹】に全ての力を注ぎ込んだ脱力感。
ポーションや回復魔法があっても、そりゃ1ヶ月かかるか。
それとタルタロスがアウァリティアに言っていた竜王【ヴァルガント】。
タルタロスと同じかそれ以上の強さなら、今の俺たちでは勝てない。
それどころかアウァリティアでさえ、俺は1人では勝てなかっただろう。
それととタルタロスが最後に言い残した【S4】。
まるで組織の名前みたいだったな。
つまり、あんな強いやつがまだたくさんいるのか?
それならユグドラシルさん以上に…もっと強くならないと!
あの日、ユグドラシルさんが世界樹と融合して以来、淡い緑色の光が空から降り注いでいる。
精霊界の空はどこまでも穏やかで、まるでこの世界全体が俺たちを優しく包んでいるようだった。
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