541.冥界と転生者(1)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「……で、俺が異世界転生者だからって何なんだよ?」
俺はシュラムに向かって、少し苛立ちを隠せない口調で尋ねた。
確かに俺は転生者だ。前世は平凡なサラリーマンで、ある日過労死してこの世界に飛ばされた。それがどうしたっていうんだ? 冥界の管理人の居場所と何の関係があるっていうんだ?
「転生者はこの世界の異物。その異物が世界に放り込まれた時、世界の運命は変わるようだ」
シュラムはニヤリと笑ったまま、俺の質問にはすぐには答えず、ダクソスのほうをちらりと見た。ダクソスの目には焦りと苛立ちが混じり、その表情を見て俺は確信する。こいつ、本当に管理人の居場所がわかってなくて困ってるんだな、と。
「何らかの理由で【神】に呼ばれた存在。それが転生者だ」
ダクソスが一歩踏み出し、俺をじっと見つめる。先ほどまでの弱々しさは消え、どこか妙な執着がその視線に宿っている。気持ち悪い。
やっぱり俺は「呼ばれた」らしい。
「…それで? そんな転生者と冥界の管理人の居場所にどんな関係があるんだ?」
話の筋が見えないので改めてシュラムに問いただすと、シュラムは黙って頷いた。
「とりあえず管理人は後回しといこう。今はダクソスを倒すのが先決だ」
シュラムは冷静に言った。確かに管理人の居場所は不明だが、まずはダクソスを排し、冥界の秩序を取り戻すのが先だ。
目の前の敵を片付けなければ先に進めない。
「だが、ダクソス、覚えておけ! 冥界はお前でも管理人のものではない。お前らを倒して、俺が冥界の支配者になってやる!!」
シュラムの口調は、悪党そのものの誇張された豪胆さだ。
どっちが悪者かわからなくなりそうだが、奴の言葉に敵意と計算が混じっているのは確かだ。
ダクソスは黙ってその宣言を受け止め、深い息を吐いて目を光らせた。
「どうやら管理人を知らないようだな。なら用済みだ!!」
ダクソスの声が玉座の間に冷たく響くと、周囲に並ぶ亡者たち――【ウォーローズ・オブ・ザ・デッド】が、ゆっくりと動き始めた。
冥界最強の戦士たちが、整然と俺たちに近づき、戦闘態勢を取る。
「来るぞ! 戦闘開始だ!!」
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