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54.暗殺専門の闇ギルド 『ナハト』

第3部完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 固有魔法【ラーニング】の解析力を極限まで高め、


 ウェル・ベルクは相手の記憶を読み取ることに成功した。


 そして、証拠を突きつけ、犯人を追い詰める。


「もう一度言います。犯人はあなたです!」


 犯人――ロッドフォード家の執事、コボルト。


 応接間の重厚な木製家具の間に、緊張が張り詰める。


「……全く…記憶を読む魔法を持つ冒険者がいるとは聞いてないな…」


 かつてコボルトと呼ばれた男が、目を細めて呟く。


 冒険者のことを調べていたのか? それとも、これは自白と捉えていいのか――


「…コボルトよ…お前が犯人なんだな…」


「そんな…コボルトさんが…」

「なんてこった…」

「私が子どもの頃から仕えていたあなたが、どうして?」


「クックック…残念だったな…。コボルトとかいうジジイはもう死んださ」


 その瞬間、コボルトと呼ばれていた人物の顔を、ベリベリっとはがして、別の顔が現れた。


「…!! だ、誰だお前は!?」


 一同が息を呑む。俺自身も心臓が跳ねた。


 ラーニングで覗けるのは、あくまで記憶の断片。頭に浮かんだものを完全に把握できるわけではない。


「クックック…俺は暗殺専門の闇ギルド【ナハト】のNo.8、【ベルモット】だ」


 闇ギルド――暗殺専門ってまさか!?


「…お前たちは貴族の暗殺を何度もしているのか?」


 俺は問いただす。


「まぁ、何度もといえばそうだな」


「…グランベル家を知っているか?」


 俺が最も聞きたい質問を口にする。


 エリスお嬢様の命を狙い、あの日屋敷を襲った闇ギルド――名前も分からず、黒装束の影の集団だった。


「…あぁ…知っているといえば知っている。俺ではなく、下級の集団に行かせたらしいからな」


 やはり…ついに見つけた。


「お前たちが…エリスお嬢様を襲った暗殺ギルドか!!!」


 あの日、地獄を作った者たち。


「なんなんだお前は? グランベル家と関わりでもあるのか?」


 俺はもう、以前の姿ではなく変装している。グランベル家の者だとは認識できないだろう。


「…グランベル家…」


 イーニアス様が小さく呟く。


「…まぁ何にしても、そのエリスという令嬢は【カギ】にはならなかったらしいな。骨折り損ってやつだぜ」


 エリスお嬢様が話していた、グランベル家の秘密の【カギ】――いったい何なのか。


「その【カギ】ってなんだ!?」


 ベルモットは口元に笑みを浮かべつつも、警戒を崩さない。


「おいおい、何を情報聞き出そうとしているんだ?

 どうせお前らはここで死ぬだろう、とでも思ったのか!?」


 うん、思った。だってもうかなり喋っている。


「…随分自信があるんだな。たとえウェルくんがいなくても、私は腕に覚えがある」


 ジョーディ様は剣を抜き、部屋の重厚な空気がさらに張り詰める。


「やれやれ…貴族様は己を過信し過ぎだね」


 ベルモットは額に手を当て、嘲るように笑う。


「君たちはもう、俺のテリトリーに入っている」


 テリトリー――?

 部屋全体に、黒い光の模様が床や壁に浮かび上がった。


「な、なんなんだこりゃ!?」

「なんて気持ち悪い文字ですか…」


 恐らく、魔法のスペルだ。


「クックック…俺はこの部屋に入った時から、固有魔法【ポイズンカース】の魔力を床に流し込み、部屋全体を毒魔法で満たしていたのさ」


 なるほど、先手を打つ準備は万全だったのか。


「ま、まずい! 皆の者、ここから逃げるんだ!」


 イーニアス様が全員を逃がそうと叫ぶ。


「逃がすと思うか? 全員呪われるがいい。

 【テリトリーポイズン】!!!!」


 部屋中の黒い文字が蠢き、壁や天井を覆い尽くす。


 だが――


「固有魔法【ポイズンカース】」


 バリーン!!!!!!!!


 禍々しい魔力は、俺の魔法で完全に相殺された。


「な、何が起こったんだ…」


 ベルモットは呆然と立ち尽くす。


「俺がお前の魔法を相殺したんだ」


 固有魔法『ポイズンカース』の解除法は


使用者を殺すか、使用者の許可で解除することができる厄介な魔法だ。




ベルモットが毒の解除をするとは思えないから


使用者を殺すしかない。




 しかし、どんな魔法でも全く同じ種類と威力でぶつければ相殺する。


 毒を浴びる前ならできると思ったけどやはりな。


「相殺しただと!? そんなことできるはずはねぇ!!」


「できるさ、同じ魔法をぶつければな」


 固有魔法を同じ固有魔法でぶつける。こんな相殺ができるのはラーニングを使いこなす俺しかいないかもしれない。


「同じ魔法をぶつけるだと!? そんなことできるわけねえだろ! 固有魔法だ! 世界で1つしかないこの魔法をぶつけることなんてできるはずが…!」


「固有魔法『ポイズンカース』」


 俺は手のひらに固有魔法『ポイズンカース』の魔力を集めた。


「な…ばかな…そんな…」


 使用者だからこそこれだけでわかるだろう。世界で一人しか扱えない自分の固有魔法が目の前にある事実を。


「は…ははは!!

 なんの魔法か知らねぇが、猿真似に過ぎねぇだろ!? なら見せてやろう、【ポイズンカース】の真の力をな!!!!」


 ベルモットの身体が黒く歪み、魔力が渦巻き始める。


「な、なんて禍々しい魔力だ…」


 ジョーディ様も思わず汗をにじませるほどの異様な圧。


「はははははは!!!!!! この周囲全体を一瞬で【ポイズンカース】で満たす、凶悪な切り札!

 じわじわと毒で苦しませ、最終的には街一つ滅ぼしたことがあるんだぜ!?」


「こ、このままでは…」


「死ねええええぇ!!!!

【サークルポイズン】!!!!」





 ――瞬間。






「【魔導気】制限時間1秒」







 シュバ!!!!!!!!

 ズバーン!!!!







 一瞬の出来事だった。誰も動きを捉えられない。


 気が付けば、ベルモットの首は宙に浮いていた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


と思ったら


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面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


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