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528/620

528.エリスの成長(5)

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

「我が名において来たれ空間の精霊

 星屑の軌跡をたどり

 空から舞い降りんとする岩石の固まりよ

 引力に従え

 大気を貫け

 大地を壊せ

 終焉を閉ざせ

 自然の摂理と共鳴し

 天に振り撒く儀式

 今一度一つとなり

 轟音を奏でる破壊者となれ

 超級空間魔法【メテオロ・デスルンブランテ】!!!」


 ゴォォォォォ!!!


 空全体を揺るがす轟音。


「ん? なんだ!?」


 とてつもない危機感にエリシアは目を見開き、空を仰ぐ。


「な!? 隕石!? アルテナの魔法か!!」


 ________________


 一方、アルテナとエリス、シルフの側では疲労が色濃く表情に出ていた。


「ぜぇ…ぜぇ…た…倒せなかったら…許さんのじゃ…!!」


 魔力を使い果たし、大の字になって地面に倒れるエリス。


「はぁ…はぁ…私も…限界です…」


 バタッ。


 エリスをサポートしていたシルフも、静かに膝をつき、力尽きる。


「大丈夫です。私のありったけの魔力を込めた完全詠唱の超級空間魔法【メテオロ・デスルンブランテ】は、エリシアでも防ぎきれません!」


 空が暗く染まり、隕石の軌跡が炎の尾を引きながら降り注ぐ。戦場全体に圧迫感が広がった。


 ________________


「くっ! だがこんなもの避ければどうって事ない!」


 身体能力を向上させたエリシアでも【メテオロ・デスルンブランテ】を受け切ることはできない。

 しかし、スピードはあるのですぐに避けることはできる。


「水魔法【アクアプリズン】!!」


 ゴボッ!!


「(くっ!? 水でできた牢屋!?)」


 水が渦巻き、蒼く透明な牢獄を形成する。ウェンディーネが中級水魔法でエリシアの動きを封じ、足止めを図った。


「(だが、これしき!!)」


 バーーーン!!!


 エリシアの腕が鋭く振られる。水の牢獄は一瞬で砕け、飛沫が光を反射してきらめいた。


「くそ! 【ブレッシングブースト】が切れたから軽々と破られてしまった!」


 ウェンディーネ、ノーム、サラマンダーは、エリスの上級光魔法【ブレッシングブースト】による強化を失っていた。魔力のバフがないため、エリシアの力を防ぐことは難しかった。


 だがその瞬間――


 「土魔法【アースウォール】!!」


 ゴゴゴゴ!!!


 ノームが地面を押し上げ、壁状に隆起させた。


「しまった!!」


 ノームが土魔法【アースウォール】で地面を押し上げて、エリシアと隕石を近づけさせた。

 【ブレッシングブースト】による強化がなくても、エリシアを一瞬だけ空に上げるなら問題ない。


 ガクッ。


「ぐっ…【ブレッシングブースト】の副作用ですかな…もう身体が…動かない」


 息を切らし、戦場に倒れ込むノーム。

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