527.エリスの成長(4)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「私も手伝います!」
シルフはそっとエリスの肩に手を添え、静かに魔力を流し込んだ。
「…た…助かるのじゃ…!!」
その声は震えていたが、瞳には再び光が戻っていた。
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いっぽうその頃、戦場の反対側――エリシアのもとでは、空気が焼けつくような熱を帯びていた。
ズガガガガ!!!
サラマンダーが、詠唱を始めた。
「我が名において来たれ炎の精霊
灼熱の刃に集い、
全てを焼き尽くす双剣、
轟く烈火、
業火の烈火、
破壊の烈火、
情炎の烈火、
燃え盛る炎で刻まれし裁きの刃を創造し、
今こそ全てを焼き尽くし、
灰となるまで斬り伏せよ、
超級炎魔法【インフェルノツインブレード】!!」
轟音とともに二本の炎の剣が現れる。その紅蓮の刃は、かつてグリーンドラゴンを焼き払った炎の何倍もの威力を放っていた。
「魔術【デスクロー】!!」
バギン!!
しかしその瞬間、炎の双剣が粉々に砕け散った。
ズバババ!!
「ぐぁ…(上級光魔法で5倍の向上をしているのに3人がかりで相手にならんとは)!!」
エリシアの爪のような魔力が閃光を放ち、サラマンダーを直撃させた。大地が震え、炎の壁が崩れ落ちていく。
「我が名において来たれ水の精霊
荒ぶる槍に集い、
穿つ蒼藍、
大気を切り裂く槍となり、
魔を貫け、
悪を貫け、
魂を貫け、
闇を貫け、
静寂と水撃の槍を創造し、
今こそ全てを貫き、
孤高の中に沈めよ、
超級水魔法【リヴァイアランサー】!!」
巨大な水の槍が形成される。まるで海そのものが天から落ちてきたかのように、エリシアめがけて突き刺さった。
「くどい!!」
ズバン!!!
エリシアは一歩も退かず、剛力でその水槍を切り裂く。飛沫が氷の結晶となって散り、光を反射して輝いた。
「我が名において来たれ大地の精霊
手中に集い、
揺るぎなき岩石と轟く地鳴り、
いくつもの巨岩を呼び起こし、
災厄を粉砕せよ、
巨悪を粉砕せよ、
暴虐を粉砕せよ、
惨害を粉砕せよ、
無限の重圧をもって地を揺るがし、
今こそ全てを埋め尽くし、
星の下に葬り去れ、
超級土魔法【アースクエイクロック】!!」
ドゴーン!!!!
大地が裂け、山ほどの巨岩が舞い上がる。重力を無視するかのようにうねりながら、エリシアを押し潰すように降り注いだ。
ズガーン!!
土煙が視界を覆い、音が止む。だが、次の瞬間――
砕け散る音とともに、岩石の中から無傷のエリシアが現れた。周囲の岩塊を【デスクロー】で粉々にしながら、ゆっくりと歩み出る。
「…おかしいな…お前たちそんなに力があったか?」
彼女の瞳が、淡く金色に光る。サラマンダー、ウェンディーネ、ノームの三体は、上級光魔法【ブレッシングブースト】によって能力を高めていた。だがその事実を、エリシアだけが知らなかった。
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