521.最強のエルフ族VSダークエルフ(8)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
砂塵を巻き上げながら、エリシアの瞳が妖しく光る。黒い鎧が低く唸りを上げ、地面が軋んだ。
「甘い!!!」
ドゴン!!!
闇の残光を裂くように、エリシアの拳が閃いた。
その一撃は突風を伴い、鋼鉄をも砕く威力でアルテナの腹部に突き刺さる。
「がはっ!?」
ヒュー…
ズドーン!!!
ズガガガガ!!!!
アルテナの身体が宙を舞い、背後の巨木を次々となぎ倒していく。倒木の破片が爆ぜ、粉塵が視界を覆った。
木々が連鎖的に倒れ、森がまるで悲鳴を上げるように揺れる。
「魔術や魔法においてお前には勝てない…ならば高速の近接戦闘はどうだ?」
魔術で劣ると判断したエリシアは、全ての魔力を身体能力の向上に転化し、肉体そのものを武器へと変えた。
闇の鎧が再び脈動し、黒いオーラが風を切る音を立てる。
「…ゴホッゴホッ!! …参りましたね。しかも防御魔法を展開してこのダメージ…近接戦闘は苦手なのに…」
血を吐きながらも、アルテナは立ち上がった。
彼女が最強と呼ばれるのは魔導士として。
無詠唱こそ可能でも、体術の速度と反射には限界がある。
「休んでるヒマは与えん!!」
ギュンッ!
音が置き去りにされる。
エリシアが黒い残像を引きながら、アルテナに向かう。
「くっ! 土魔法【アースウォール】!!」
ガガガガガ!!!
地面が爆発的に隆起し、無数の岩塊がせり上がる。
瞬く間に横100メートル、縦10メートルの巨大な土壁が立ち上がり、エリシアの進撃を遮断した。
大地の震動が空気を震わせ、破片が雨のように降る。
「ムダだ!!」
ズガン!!!
エリシアの蹴りが炸裂し、巨大な土壁の中心を粉砕した。
スタッ。
エリシアは瓦礫を踏み越え、壁の内側へと進入する。
だが、そこにアルテナの姿はなかった。
「ちっ…アースウォールを目眩しに身を隠したか。この一瞬でなんて器用な…私の見えないところから魔力を高めた攻撃を仕掛けるのだろう」
エリシアの眼光が鋭く光る。
周囲は崩れた土壁と舞い上がる煙で覆われ、視界は最悪だ。
それでも、彼女は闇の感知能力でアルテナの魔力の気配を探る。
アルテナの実力ならば、ただの防御では終わらない。
むしろ、次の一撃のための布石――そう読んだ。
実際、アルテナが本気を出せば、この程度の壁をさらに何倍も強固にできる。
今のは、あくまで時間稼ぎと罠。
並の魔導士なら到底真似できない、戦術の冴えだ。
だが、今のエリシアに通じるかは別問題だった。
彼女はすでに常識外れの力を手にしている。
魔力を集中させ、一撃で勝負を決める構えを取った。
「超級炎魔法【ピラーオブ・ジ・エンド・フレイム】!!」
ドゴーン!!!
天地を焼き尽くすような爆炎が迸る。
アースウォールで窯焼きのごとく、内部にいるエリシアごと爆発が弾けた。
炎柱が天へと伸び、灼熱の光が赤く染める。
熱波が押し寄せ、周囲の木々が音を立てて燃えた。
「ふぅ…これで少しはダメージを負ってくれればいいのですが…」
アルテナは額の汗を拭いながら、焦げた風を見つめた。
しかし――
…
…
「誰がダメージを負うだって?」
その声が、背後から聞こえた。
「な!?」
振り向いた瞬間、黒い影が閃いた。
ドガッ!!
エリシアの蹴りがアルテナの胴を捕らえる。
衝撃波が走り、再び彼女の身体が吹き飛ぶ。
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