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52.犯人確定!?

第3部完結まで連続投稿します!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

「リンジーお嬢様は、いつから病にかかっていたのでしょうか?」


 俺はイーニアス様とジョーディ様に、リンジーお嬢様がいつ頃からこのような状態だったのかを尋ねた。


 イーニアス様は目を大きく見開き、突然声を震わせた。


「半年前ぐらいか…あのころはリンジーは元気で勉学にも励み、可愛くて、それはもう…可愛くて可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!!!!!!!!!」


 ちょっ!? イーニアス様!?!?!?


 「お、落ち着いてください!」


 思わず声を上げる俺をよそに、イーニアス様は手を振りながら取り乱している。


「あ…あぁ…すまない。

 娘のことになるとつい…」


 いわゆる親バカだろうか。だが、こうして愛されていることこそ、リンジーお嬢様の幸せの証拠だろう。


 仕切り直して、俺は冷静に尋ねる。


「では、その時の状況をお伺いできますか?」


 ジョーディ様がピシッと背筋を伸ばし、落ち着いた声で答えた。


「父上はそのとき屋敷におられなかった。

 代わりに、私が説明しよう」


 半年前、リンジーお嬢様は屋敷を訪れた多くの人々に回復魔法を施していたという。

 なんと、彼女は公爵家にして聖女としての活動も行っているのだ。


 すごい…。公爵家で聖女活動なんて、鬼に金棒だ。

 しかも、慈善活動も惜しまないという。

 貴族の中には傲慢な者が多いと思っていたが、こういう人物も存在するのだ。


 しかしジョーディ様の表情は熱を帯び、言葉を震わせる。


「あのときのリンジーの真剣な横顔があまりにも尊くて…可愛くて可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 ちょっ!? ジョーディ様!?!?!?

 いや、お前もか!!!!!!!!


 「お、落ち着いてください!」


 屋敷の静寂を震わせ、突然ジョーディ様も発狂寸前だ。


「あ…あぁ…すまない。

 妹のことになるとつい…」


 シスコン…だろうか。

 しかし、愛されている証拠だ。

 貴族はもっとキリッとしているものかと思ったが、こういう人たちもいるのだな。


 俺は本題に戻る。


「可能性としては、その人たちの中に…」


「だが、探すのはこれだけでは足りん。

 領地の人間だけではないからな」


 むむむ、それは厄介だ。

 他国からの暗殺者がこっそり屋敷に近づいたのなら、さらに難易度が上がる。


 ジョーディ様は冷静に思い出す。


「疑問に思ったのは、この活動が終わった後も元気よく魔法の勉強や練習をして、ディナーも完食していたことだ」


 ん?


 即効性はないとはいえ、食欲が普通にあるのはおかしい。

 ラーニングで解析したところ、固有魔法【ポイズンカース】はじわじわと蝕む毒で、初期は倦怠感が強く、食欲は湧かないはずだ。


 ということは、屋敷を訪れた多くの人々の中に犯人はいない可能性がある。


「ということは…内部犯…?」


 使用人たちの中に犯人がいる可能性が高い。

 まずはリンジーお嬢様がその日会った人物に絞り、聞き込みをすることにした。


「なるほど。私は覚えているぞ」


 ジョーディ様、すごいな。半年前の出来事をここまで鮮明に覚えているとは。


「いつもリンジーの傍にいて、変な男に引っかからないかチェックしているからな!」


 ちょっ!? 屋敷の中ですよ!?!?


「でかしたぞ、我が息子よ!」


 イーニアス様まで!?!?!?

 過保護すぎる…。

 なんだか、リンジーお嬢様が少し可哀想になってきた。


 こうして、ジョーディ様の記憶から浮かび上がった容疑者は三人。


 メイドのレッティ。

 執事のコボルト。

 シェフのアルデン。


 この中に犯人がいるのか――。


 まずはメイドのレッティさんに事情を聴く。


「さすがに半年前のことは覚えかねますが…」


 ですよねぇーーー!!!!!

 レッティさんは事情聴取には役に立たない。


 続いてシェフのアルデンさん。


「あ!? 半年前のことなんか覚えられっか!」


 ですよねぇーーー!!!!!

 公爵家のシェフとは思えないほどワイルドな口調だ。


「だが、その日のディナーのメニューならメモがあるから、それならわかるぞ!」


 うーん、あまり当てにはならないか。


 最後に、執事のコボルトさん。


「私は随時記録しておりますからな」


 おお、さすが執事だ。

 手帳を取り出し、声を落ち着けて読み上げる。


「えーっと…あのときは…。

 リンジー様の聖女活動のお手伝いをしましたね。

 そして、着替え、魔法の読書や鍛錬、夕食、お風呂という順で、22時に就寝なされました。

 しかし、それから1時間後、リンジー様が助けを求め、現在かかっている病気に気づいたのです」


 なるほど。

 こうして聞くと、全員が呪いを仕掛けるチャンスはなさそうでもあり、あるようでもあり…微妙なところだ。


「怪しいと思うと怪しく感じる」


 ん? あ!


 犯人を見つける手段があるかもしれない――。

 試してみるか!!

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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