510.呪術なしでも強敵
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
呪術の効力を失ったデーモンとサヤとテンテンの真っ向勝負が始まった。
ズガガガガガ!!!
「どうした!?!? もっと痛みを感じさせてくれよー!?!?」
しかし、デーモンの接近戦の戦闘力はサヤとテンテンと拮抗していた。
「こいつ…! 呪術なしでも強いアル!」
「拙者たち二人を相手に一歩も引かぬでござる…!」
ズガガガガガ!!
ズガ!
デーモンの蹴りがテンテンの腹に直撃する。
「ぐっふっ!!!」
ズバン!!
そして今度は、デーモンの鋭い爪がサヤの身体を引き裂いた。
「くっ!!」
ズザッ!!
「うおおおおおお!!!」
スガガガガ!!!
負傷しても攻撃の手を休ませないテンテンとサヤ。
ドゴ!
ズバン!
「ぐほぁ!?」
そして、デーモンにテンテンの打撃とサヤの斬撃が入る。
「(ぐっ!? 【殺意の視線】を感知してもこいつの打撃は避けにくい! 剣士の斬撃も大したもんだ!!)」
ラプラスの悪魔は【殺意の視線】を感知して攻撃を避けることができる。
しかし、テンテンは【気】を感知して相手の動きを読むことができるので、デーモンの感知能力を少し相殺しているのだ。
「だが…この【痛み】が…【生きてる】ってことかーー!!!」
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ある日の大罪竜【強欲のアウァリティア】とデーモンの会話。
街を壊滅させ、炎と煙に包まれ、崩壊した建物の間を赤い光が照らす。地面には破壊された家屋の木片や石が散乱している。
「よぉ…マブダチ…【痛み】ってなんだろな」
アウァリティアの隣に座り、寂しそうに話すデーモン。
「ギャハハハハ!! だったら俺様がお前を踏み潰してやろうか!?」
アウァリティアは大笑いしながら楽しそうに言う。
「…俺は生まれながらの呪いのせいでノーダメージだ。だがさっき殺した人間が言ってたんだ」
さきほどまで残虐の限りを尽くしており、デーモンが対峙した1人の冒険者が、死ぬ直前にデーモンに言ったそうだ。
「あん? なんて言ったんだ?」
少し興味を持ったアウァリティア。
「【痛みは生きてる証だ。痛みを知らねぇなんて哀れだな】ってな…」
「ギャハハハハ!!! 気にすんな! 負け犬の遠吠えだ!! 弱ぇ人間の言葉など聞く価値もねぇ!!!」
アウァリティアはそう言ってこの会話を終えたが、デーモンは納得していなかった。
しかし現在。
サヤとテンテンの攻撃を受け、デーモンは初めて「生きている」と実感していた。呪術なしでも強敵
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