504.リバースペイン(4)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「…そういえば…最初は避けていたのに…いきなり…無防備になって…アタシたちの攻撃をくらったような…」
テンテンが呟くように言いながら、ちらりとリーズの方へ視線を送る。
彼女の言葉には、呪術打開の糸口があるかもしれない。
「…最初は…避けていた…」
リーズは倒れ伏すサヤの傷口に光の魔法を流し込みながら、遠くで繰り広げられるデーモンとココの戦いを凝視していた。
その瞳には、炎の揺らめきと剣光が交互に映り込んでいる。
森の空気は張り詰め、わずかな風が血と鉄の匂いを運んでいた。
「…ぐっ…ゴホッゴホッ!!」
サヤが苦しげに咳き込み、肺に溜まった血を吐き出す。
荒い呼吸の合間から微かに声が漏れた。どうやら一命は取り留めたようだ。
「サヤさん! よかったですわ! ポーションは飲めますか?」
リーズは胸を撫でおろし、すぐに腰のポーチから回復ポーションを取り出した。
「…か…かたじけないで…ござる」
サヤは力なく礼を言うが、まだ体を起こすほどの力はない。
リーズはそっとサヤの頭を支え、唇へポーションを運ぶ。
琥珀色の液体が喉を通るたび、サヤの顔にわずかな血色が戻っていった。
「サヤ…! 目を覚ましたアルか!」
焦りと安堵が混ざった声に、テンテンの仲間思いな一面がにじむ。
「今…どうなっているでござるか…?」
サヤは目を細め、辺りを見渡した。
彼女には、今この戦場がどのような状況にあるのか、まだ把握できていないようだった。
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ガガガガガガ!!!
空気を裂く轟音とともに、閃光が交錯した。
デーモンの腕が唸りを上げ、ココの剣が火花を散らしてそれを受け止める。
砂塵が舞い上がり、視界を覆う中で、二人の影が高速でぶつかり合っていた。
「ほれほれどうしたぁ~!? こんなもんか~!? あくびが出るぜ!!!」
デーモンは狂気を帯びた笑みを浮かべ、重い一撃を次々と叩き込む。
その余裕のある動きに、戦場の空気が圧されていく。
岩壁が砕け、地面が裂けるたび、轟音が耳を打った。
「…さすが…強いですね…!」
ココの額に汗が滲む。
まだ本気を出していないデーモンに押されている現状が、彼女自身を焦らせていた。
このままでは呪術を発動する暇もなく、敗北してしまう。
バッ!
ココは砂煙を蹴り、素早く距離を取った。
その動きに合わせて地面が抉れ、砂粒が宙を舞う。
「おいおいどうしたー?」
デーモンが愉快そうに声を上げる。
彼の瞳には、獲物を弄ぶような光が宿っていた。
「法術【影武装】」
影がココの身体を包み込み、黒い鎧が形成されていく。
鋼のような光沢が光を吸い込み、彼女の姿が漆黒の戦士へと変わった。
「ほぅ…少しはできるか…」
デーモンはその変化に目を細めた。
嘲りではなく、わずかに感心の色を含んだ声音だった。
「法術影武装【瞬影殺】」
シュン!!
刹那、ココの姿がかき消えた。
次の瞬間、デーモンの背後に影が現れる。
ヒュン!!
横薙ぎに放たれた剣閃が走るが、デーモンはまるで背中に目があるかのように身を屈め、それをかわした。
「な!?」
ココの瞳が見開かれる。
普通なら避けられるはずのない不意打ち――だが相手は、常識を超えた存在だった。
その差を、彼女は身をもって痛感する。
「スキありぃ!!」
振り切った勢いで、ココの体勢に一瞬の隙が生まれる。
その瞬間を逃さず、デーモンが踏み込んだ。
ズガン!
「ぐっ!?」
デーモンの掌底がココの腹部に直撃する。
鈍い衝撃音が響き、ココの身体が後方へと吹き飛んだ。
地面に叩きつけられ、粉塵が舞い上がる。
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