501.リバースペイン(1)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
数分前。
ラプラスの悪魔――第八級使徒にして、危険度SSSランクの魔物【デーモン】。
森の奥深く、焦げた木々と裂けた大地の中で、テンテンとサヤが三メートルの巨体と対峙していた。
空気は重く張り詰め、周囲を包む闇が、まるでこの戦いの結末を見届けようと息を潜めているようだった。
「滅魔流【魔翔一閃】!!」
ズドン!!
地面を強烈に踏み込み、サヤの瞬速の抜刀が閃光のように走る。
音よりも早い一閃が、デーモンの首を正確に捉えた――。
シュパッ!
「あっぶねぇなぁ…!」
しかし、デーモンは紙一重でかわした。
巨大な腕がしなるように動き、風圧で周囲の木々が一斉にしなる。
ズザァ!!
その隙を見逃さず、テンテンが足を滑り込ませ、背後に回り込む。
彼女の瞳が光り、気が渦を巻く。
「八極気功拳【発勁】!!」
テンテンの掌底が、溜め込んだ気を放ちながらデーモンの背中を撃ち抜いた。
スカッ。
「ぐ!? これも避けるアルか!?」
確実に捉えたはずの一撃を、デーモンはまるで背中に目があるかのように滑らかに避けた。
「今度はこっちの番か~!?」
デーモンが口角を吊り上げ、狂気に満ちた笑みを浮かべる。
次の瞬間、鋭い爪が閃いた。
ガガガガガガ!!!
「ぐ!? なかなかの手練…!」
「強いアルな! でもこれぐらいどうって事ないアル!」
ズガガ!!!
「おぉっとぉ!?!?」
サヤとテンテンは息を合わせ、爪の連撃を見切り、流れるように捌いた。
その一瞬、デーモンの防御が崩れ、全身に隙が生まれる。
「滅魔流【鋼魔斬閃】!!」
「八極気功拳【超発勁】!!」
ズバン!!
ズガン!!
「ぐおおお!?!?」
衝撃波が森を震わせ、光と爆風が同時に走った。
デーモンはバランスを崩し、後方の岩に叩きつけられる。
ピタ。ピタ。
その瞬間、デーモンはテンテンとサヤの身体に一瞬で手のひらを触れた。
ヒューン…。
ズガガガガガガ!!!
岩が砕け散り、デーモンの巨体が地にめり込む。
衝撃で土煙が舞い上がり、森全体が唸るような振動に包まれた。
「今のは手応えありでござるが…」
「…違和感があるネ…」
サヤとテンテンは構えを解かず、警戒を強める。
確かに攻撃は命中した。しかし――。
ガラガラ…。
砕けた岩の中から、再び禍々しい気配が立ち昇る。
ズガガガガガガ!!
ズガン!!!
岩が真っ二つに裂け、黒い影がゆらりと立ち上がる。
焦げ跡ひとつない皮膚。紅い瞳だけが不気味に光った。
「…あ~痛くねぇなぁ…全然痛くねぇよー!!! もっと本気で来いや!!」
デーモンは無傷だった。
その声には痛みも恐怖もなく、ただ狂気だけが宿っている。
テンテンとサヤを挑発するように、舌なめずりをする。
「…このままでは埒が明かないでござる」
「…お望み通り本気で行くネ!」
ザッ…。
2人は同時に構えた。
大地が微かに震え、周囲の木々が風圧で軋む。
「竜気…解放…!!」
「仙気…解放…!!」
ズァァァァ!!!
竜気と仙気――二つの力が空間を歪める。
光と闇が交錯し、地面がひび割れ、空気が爆ぜた。
だが、その力の高まりこそが――彼女たちの敗北の引き金となるのだった。
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