499.アルテナとエリシア(4)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「エリシア…少し話をしましょうか…」
アルテナは静かに声をかけながら、一歩ずつ歩み寄っていく。
「話をして何になる!? 私の恨みは!! 渇きは!! この100年でどうしようもなく積み重なった!!!」
ゴオオオ――!!
怒声とともに、エリシアの体から黒い魔力が噴き出した。
その闇は地面を焦がし、周囲の草花を瞬時に枯らす。
空が歪み、砂が舞い上がるほどの圧。
彼女の瞳には、もう理性など残っていなかった。
「エリシア…やはりあなたを止めるには戦うしかないのですね…!」
アルテナはロッドを握りしめ、冷たい表情で構える。
その指先には微かに震えがあったが、決意の光が瞳に宿っていた。
「おーいおいおいー? 俺を忘れてねぇかー?」
シュバッ!!
黒い影が横切る。
エリシアが動くよりも早く、デーモンがアルテナへと飛びかかった。
土煙が上がり、地面が砕け散る。
「いえ…あなたの相手は頼もしい二人に任せました」
アルテナの声が響いた瞬間――
シュババッ!!
ドカッ!! ズバッ!!
テンテンの蹴りとサヤの斬撃が、風を切ってデーモンを襲った。
「ぐほぉあ!?!?」
ひゅーん…。
ズドォーン!!
デーモンの体が宙を舞い、地面を滑りながら岩壁へと叩きつけられる。
土煙が空を覆い、地面が大きくえぐれた。
「な!? デーモンまで!?」
エリシアが目を見開く。
大罪竜に続き、ラプラスの悪魔まで吹き飛ばされたのだ。
「こいつの相手はアタシたちに任せるネ!」
「拙者たちも強くなっているでござる…必ず倒してみせるでござる!!」
飛行船【ルシエール】の中でも、気を練る修行を欠かさなかったテンテンとサヤ。
危険度SSSランクのアークキメラと戦った時よりも強くなっている。
「…任せましたよ…私はエリシアを止めます!」
アルテナは一瞬だけ微笑み、再びロッドを構える。
テンテンとサヤは頷くと同時に、吹き飛ばされたデーモンの方へ駆け出した。
「…ちっ…!! 大口叩いておいてこのザマか…だったら私が全員殺してやる!!!」
エリシアは怒りのままに叫び、黒い魔力をさらに膨張させる。
その瞳には狂気が宿り、大罪竜やデーモンすら駒としてしか見ていない。
使えぬ駒は、切り捨てる。それが彼女の選択。
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「…あー…やってくれるなぁ…よっと!」
テンテンとサヤの攻撃を受け、岩壁にめり込んでいたデーモンが不敵に笑いながら立ち上がった。
その皮膚は焦げたように見えたが、傷は一つもない。
シュタタッ!!
テンテンとサヤが慎重に間合いを詰める。
「やっぱりと思ったけど無傷あるネ…」
「さすが危険度SSSランク…そう簡単にはいかないでござるな」
息を整え、構えを取る二人。
彼女たちの額に汗が光るが、その眼差しには怯えはなかった。
ただ静かに燃える闘志だけがあった。
「小娘二人だけでこの俺を吹っ飛ばしただけでも大したもんだぜ!? 俺に【痛み】を教えてくれよ!?!?」
デーモンの口元が裂けるように笑う。
テンテンとサヤは息を合わせ、再び突き出すように構えた――。
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