492.冥界特有スキル【冥府の波動】
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「冥界の管理人じゃなきゃ魂を地上界に送るなんてことはできない。まぁ…そいつにできなきゃどちらにせよお手上げだがな」
確証はどの道ないのか。
とはいえ、このまま何もせずに彷徨い続けるのもごめんだ。
可能性があるなら、かけてみるしかない。
「…お前は…なんでクーデターを収めようとするんだ?」
こんな悪党が善意で動くなんてありえない。
絶対に裏がある。そう思っていた。
「…管理人の力で俺の相棒のウォーカーの顔をもう一度みたい。ただそれだけだ」
相棒。
前にも聞いた名前だ。
やっぱりそのウォーカーってやつは、シュラムにとってただの部下じゃなく、特別な存在なんだろう。
「あいつが死んでからかなり時間が経っている上に、生まれ変わることを望んでいたから【輪廻の輪】と一つになっているだろう。それをどうにかする」
どうにかするって…簡単に言うけど、そんなの神の領域じゃないか。
まるで雲を掴むような話だ。
「そして俺様が管理人に代わってこの冥界を支配してやるのさ!!」
「やっぱ極悪人かよ!!」
せっかくちょっと感動しかけたのに、すぐ台無しにするあたり本当に残念なやつだ。
その時、頭の中に不思議な声が響いた。
――冥界特有スキル【冥府の波動】を習得した。
一分経過したのでラーニングで習得したようだ。
冥界特有スキル?
固有魔法でも呪術でもない、新しい分類らしい。
【冥府の波動】
冥界の住人や冥途玉に効果を発揮するスキル。
その波動を手や足に込めることで、冥界の住人や冥途玉の魂を直接揺さぶり、霊的な防御をすり抜けてダメージを与える。
生者には影響を与えないが、冥界の存在に対しては絶大な効果を持つ。
いわば、霊的な特効スキルってやつだ。
なるほど。
つまり冥界限定スキルってことか。
地上じゃ使い物にならないけど…アンデッド系には効くかもな。
今度試してみよう。
「というかなんでシュラムは冥途玉を倒せるスキルを持っていたんだ?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
「不屈の精神でここに留まることが出来れば死んだら全員持っている力だ! だからこそわかる! お前は死んでないってな!!」
なるほど。
死んだ者は皆【冥府の波動】を扱えるが、生者には本来使えない。
つまり、俺が冥界にいながらもまだ“生きてる”証拠ってことか。
不安の中に、ほんの少しだけ安心が芽生えた。
まだ戻れる可能性がある――そう思えた瞬間だった。
そして俺とシュラムは、荒涼とした冥界をさまよい始めた。
目的も違えば性格も真逆。
それでも、今は利害が一致している。
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