488.大教会本部守護精霊の実力(3)
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ズドン!!
ズガガガガガガ!!!
ゴオオオオオ!!!
ズバババババババ!!!
地鳴りと閃光が交錯する。
大地が抉れ、砂塵が空へと舞い上がった。
空を覆う焦げた雲の合間を、閃光が駆け抜ける。
「グオオオオオオオオ…!?!?」
断末魔の咆哮が響き渡った瞬間、巨大な影が崩れ落ちた。
ズドドドン。
轟音とともに、グリーンドラゴン四体の巨体が次々と地面へ叩きつけられる。
その鱗は砕け、熱を帯びた煙が立ちのぼった。
スタッ。
煙の中から、炎の残光を背にサラマンダーが軽やかに着地した。
紅の双剣を肩に担ぎ、口角を上げて笑う。
「まぁ…こんなもんよ!」
焦げた地面に立つその姿は、戦場の中心でひときわ誇らしげだった。
「あと二体いるんですから気を抜かないでください」
風をまといながらシルフがたしなめる。
彼女の長い緑髪が、戦闘の余熱に揺れていた。
「これぐらい余裕ですよシルフさん!」
最年少のウェンディーネが笑い、槍の穂先をくるりと回す。
その顔には勝利の光が差していた。
「こらこら…油断は命を落としますよ」
土煙の中からノームがゆっくりと歩み寄る。
焦げた大地を見渡す彼の瞳には、年輪を重ねた静かな警戒が宿っていた。
――基本的に、シルフとノームがしっかり者のようだ。
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「ギャーハッハッハ!! 人間にしてはやるな!?!?」
少し離れた森。
アウァリティアの嘲笑が轟き、黒緑の翼を持つ影が立ち上がる。
その瞳は獲物を見つけた猛獣のように輝いていた。
「並行詠唱…しかも弱めとはいえ超級魔法で…」
エリシアが息を呑む。
その声には畏怖と驚愕が混ざっていた。
――並行詠唱。
本来、詠唱中は魔力に集中するため一切の動作が制限される。
詠唱者は剣士に守られ、詠唱を終えてから攻撃を放つ――それが常識。
だが、並行詠唱は違う。
詠唱を続けながら同時に移動し、回避をこなす。
それは魔導士としても戦士としても極限まで鍛え抜かれた者にしかできない芸当だった。
「魔導士としても戦士としてもスペシャリストとなった彼らだからこそできる技か…最強のエルフ族と言われているアルテナにすらできないスキルを…」
エリシアの呟きが、風に消える。
アルテナは超級魔法の詠唱破棄を行えるが、並行詠唱はできない。
その一点だけで見れば、彼らの魔力制御はアルテナをも凌駕していた。
「しかもサラマンダーとウェンディーネは槍や剣に纏わせた。魔法を圧縮すれば威力が分散しない分、殺傷能力が高くなる」
彼女の視線の先――
サラマンダーの双剣には炎がまとわりつき、ウェンディーネの槍は水を放っていた。
「こりゃあ戦うのが楽しみだ!! 俺に【痛み】を教えてくれるかもしれねぇ」
デーモンが低く笑う。
血走った瞳に宿るのは、戦いへの渇望。
破壊を悦びとする悪魔の本能が静かに燃え上がっていた。
「ギャーハッハッハ!! あと二体倒されたら、俺様たちが相手になればいいということだ!!!!」
アウァリティアの豪快な笑いが空を震わせる。
――大教会本部守護精霊たちは、エリスたちが到着するまでにデウスを守りきることができるのか。
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いっぽうその頃――ウェルは…。
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