478.精霊界へ繋がるゲート
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「まさかユーラシア文明の情報が聞けるなんて…現大司教として…誇らしい!」
クラルテは再び気持ち悪いほどの笑顔を浮かべた。
その喜びは表情に出すぎていて、まるでキャラクターが変わったかのようだ。
「!? コホン…そろそろ到着します」
やっと冷静さを取り戻したクラルテ。
しかし、この短時間で得た情報量は凄まじく、エリスたちは思わず息を呑む。
魔人戦争で出会ったアーサー、帝国ヴェルトと奴隷の関係、世界樹の存在、アリストクラキーと悪魔、白銀の悪魔と神の像――。
あとでウェルにも話してあげようと、エリスたちは心の中で誓った。
ガチャ。
地下の階段を降りた先には、重厚な扉が立ちはだかる。クラルテは軽く手をかけると、難なく開けて中へ入っていった。
「この魔法陣に乗ると移動します。同時に乗るようにしてください」
クラルテの声に従い、全員が同時に魔法陣に足を踏み入れる。
キュイイイイイイン…。
シュパン!
眩い光と振動の後、全員は大教会デウスの本部から、別の建物へと瞬間移動した。
「ここになります」
そこは深い森に包まれた、小さく荒れ果てた教会だった。
人の気配はなく、風が木々を揺らす音だけが響いた。
「本部はカモフラージュ。ここが本当に重要な秘密です。本部より厳重な結界もあり、中に入るのは転送魔法陣でないと容易ではありません」
クラルテを先頭に、エリスたちは静かに教会の扉を押して中へ入る。
外は荒れ果てているが、扉はしっかりと開閉できるようだ。
教会の奥には、先ほど大聖堂で見た【神の像】の小型版が置かれていた。
クラルテはその像の前に立ち、ナイフを取り出す。
プツ。
指先を少し切り、流れ出る血を用意する。
ポチャン。
パァァァ!!
血が神の像にかかると、床に魔法陣が浮かび上がった。
「闇夜の帳が降りる時、我が手に秘めし力を解き放つ。封じられし古の悪魔よ、今こそ我が声に応え、世界を貫き開かれよ!」
クラルテは魔法陣に触れ、まるで呪文のように言葉を紡ぐ。
ゴゴゴゴゴ…。
ガコン!
地下への階段が現れた。再び深く潜るようだ。
「この下に精霊界へ繋がるゲートがあります。行きましょう」
エリスたちは階段を慎重に降りていく。
すると先ほどよりも早く、異世界のような空間にたどり着いた。
扉はなく、周囲の空間は歪み、この世のものとは思えない光景が広がっている。
「精霊界と地上界は時間軸が違いますのでお気をつけて」
クラルテの警告に、皆は足元を固める。
ここでは時間の流れが異なり、精霊界の1ヶ月は地上界の1日に相当するのだ。
静かな空間に、空気の重みと異次元の気配が漂っていた。
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