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457.グリムリペアNo.4 白銀のスナイパー

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 校舎裏。瓦礫と煙が立ち込める空間に、グリムリペアNo.5の猫族【グアル】と、No.10の機械まみれの老人【クレスト】が佇む。

 瓦礫の隙間に光る配線や、倒れた木箱、飛び散った紙片の影が二人の背に落ちている。


「クレスト! いけるか!?」


「ほっほっほ! いつでも大丈夫じゃ!」


 グアルの声に、クレストは満足そうに頷く。


「来たるべき時に用意した対魔族兵器のひとつ【魔力妨害装置】発動じゃ!!」


 ガチャッ!


 ギュウウウウウン!


 クレストが装置のレバーを引くと、金属がきしむ音とともに小さな振動が伝わる。

 瓦礫の上を落ちる埃が舞い上がり、周囲に濃い魔力の波動が広がった。


「これで大丈夫じゃ。もう魔物が増えることはない!」


 一見するとただの箱だが、魔族の魔力を引き寄せる波を妨害している。


「さすがクレストだ。魔族限定で魔力に干渉する装置を作るなんて…」


 グアルは発明家の技術に感嘆する。


「まったく…ドナーのやつ…緊急事態が起きたらすぐ飛んでくるって言っていたのに…」


 アモスデウスと戦っている最中のドナーには連絡が届かず、グアルはそのことを知らない。


「あとは…【あいつ】に任せれば大丈夫か……」


_________________


 爆煙の向こう、校長室。


「隙だらけだ!!!」


 校長とは別の魔族、【バルトン王】が少年を狙う。

 バルトン王もまた、誰かに殺されて魔族に変わっていた。


「闇魔法【ブラックレイ】!!」


 黒いレーザーが少年の背後から発射され、廊下に光の筋を描く。


 ヒョイ。


 しかし少年は、まるで後ろに目があるかのような動きで、レーザーをすり抜けた。


 ドガーン!!


 黒い光は校長室の壁に衝突し、爆炎が吹き上がる。破片が宙を舞い、煙と火花が渦を巻く。


「んな!? なぜ避けられた!?」


 完全な不意打ちに、バルトン王は目を剥く。


「【なんとなくだ】」


 少年は即答した。

 【殺意の視線】を感じ取り、直感で回避したのだという。


「な…何者だ…」


 校長だった魔族が問いかける。


「俺はグリムリペアNo.4 白銀のスナイパー【ユガレイ】! よろしくな!」


 ユガレイ。

 2000年前にタイムスリップしたウェルたちと出会った子供と同じ名前だ。


「さ~て~ほんじゃちょっと本気出して暴れるか!!」


 ユガレイは銃の引き金とは別の部位を操作する。


 ガチャ


「【リミッター1解除】」


 ドガーーーン!!!!


 瞬間、校長室は閃光に包まれ、瓦礫と煙が渦巻きながら消滅した。

 魔族に二人を含め、何もかもが跡形もなく消え去った。

「面白かった!」


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