426.元闇ギルドマスター VS ショタワンコ
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
「【アイテムボックス】!」
俺はとっさに新しい魔導霊気刀を取り出した。予備はこれを含めてあと二本しかない——消耗戦の予感が胸を締め付ける。
「…こんなこともできそうだな…」
その言葉を吐く間もなく、シュラムの両脇腹を突き破って巨大な触手のような“手”が飛び出した。黒い肉の塊が木々の間を薙ぎ、空中で俺を捕まえようと伸びてくる。
「うわっと!?」
ビュン!と飛び退き距離を取るが、その手はどこまでも追ってくる。伸びる速度と形状は常識を超えていた。
「深淵の戦法【夜剛の迅】!!」
ズバババババ!!!
俺は刃を振るって伸びた異形の手を次々に切り裂いた。触手はアダマンタイトで補強されていなかったのか、断面から黒い蒸気を上げて脆く砕ける。ブチブチと肉が裂ける音が耳に刺さった。
ブチブチ…!
するとシュラムはその脇から突き出た異形の手を身体から切り離した。
ブチブチ…!
その後すぐに、シュラムの剣となった両腕が、どんどん人の手になっていった。
「ふむ…やはり剣は握るに限る!」
腕が剣へと収束すると、シュラムは二振りの剣を軽々と扱い始める。まるで長年使い慣れた武器のように振るう度に、戦場が震えた。時間が進むごとに彼の戦闘力は研ぎ澄まされていく。
「く…なんでもありだな…!」
人間時代の戦闘術と魔物由来のスキルが混ざった戦い方——その異様さに思わず息が詰まる。
「はぁ…はぁ…」
俺の魔力は底をつきかけていた。深淵の闇魔法と連続技の代償が全身に重くのしかかる。
「こうなったら…一か八か!」
覚悟を決めて、俺は一度使うと一気に魔力切れになる固有魔法を使うことにした。
「深淵の闇魔法…解除!」
シュゥゥ…。
アビスセイムの禍々しい発光が消え、髪と瞳の色が元に戻る。
「うん? 何をする気だ?」
シュラムの問いは、答えを聞く前に消えた。俺は固有の力を解き放つ。
「固有魔法【ドルジェ】!!」
バリバリ!!
俺は雷光に体表を覆わせ、空気が裂ける感覚を受ける。瞬間、全身を雷と化させた——速さと鋭さが肉体に宿り、全ての感覚が一段鋭くなる。だがこの術は魔力を激消耗し、持続は僅かだ。今の俺の持ち時間は、せいぜい三秒。
パリッ!
雷速で消え失せるように姿を曖昧にした。
「ん!? 消え…!?」
シュラムが俺の所在を見失う。だが隙は一瞬。俺は雷の如く動いて、刃を叩き込む。
ズバババババ!!!!
残り一秒、体中の力を一点に集中して、捨て身の一撃を叩き込んだ——
「ぐはぁ!?」
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