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411/620

411.再戦

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 じゅるるる!!


 リチャードの身体がびくりと跳ねる。

 肉の裂ける音とともに、背中を突き破って黒い触手がうねり出た。

 触手は生き物のように蠢き、リチャードの四肢を絡め取る。


「ぐああああ!? …ぐ…制御できない!?」


 触手はそのまま、彼の身体を飲み込むように這い回った。

 リチャードの瞳が黒く濁り、皮膚の下で何かが暴れ回っている。


「俺の固有魔法だぞ! セカンドユニークだぞ! こんな…こんなはずでは…!!」


 その声は、もはや自分のものではなかった。

 リチャードの身体から発せられる声の奥に、別の意思が重なって響く。


 完全に――シュラムが主導権を握ったのだ。


「それにしても異世界転生者とは…面白い話を聞いた。だが所詮はチンピラ。宝の持ち腐れの小物だな。闇ギルドのマスターの器には程遠い!」


 黒い靄が彼の足元から渦を巻き上げる。

 地面がぬかるんだように沈み、リチャードの体はずぶずぶと闇に引きずり込まれていった。


 ズブブブブ…。


 暗黒の中から血走った瞳だけが最後まで浮かび上がる。


「貴様は用無しだ…俺の中で永遠に眠れ!!」


「ちくしょーーーーーーー!!!!!」


 ズブブブブ…。


 叫びは闇に呑まれ、リチャードの肉体は完全に消えた。

 残ったのは、シュラムの姿だけだった。


「くくく…では再戦といこうか…ウェル・ベルク!!!」


 リチャードとシュラム――二つの存在が完全に入れ替わった。


 その気配は、空気ごと震わせるほどの重圧。

 魔力の奔流が地を焼き、岩壁をひび割れさせる。


 シュラムはもはや固有魔法に頼らずとも強者。

 むしろ、今の彼はかつてよりも厄介で、狂気を孕んだ怪物だった。


「何度でも…倒してやる!!」


 俺は剣を握りしめ、蒼白の炎を纏わせる。

 地面に刻まれた魔法陣が光を放ち、戦場が再び轟音に包まれた。


 危険度SSランクを遥かに超えた戦闘。

 それでも、負けるわけにはいかない――。


__________________


 

 いっぽう、ダンジョンコアの足元では――。


「グオオオオオオオ!!!」


 地鳴りのような咆哮。

 炎と硝煙の渦の中、テンテン、サヤ、リーズ、ココ、アルテナ、ガルが次々と魔物を斬り倒していた。


「倒しても倒してもキリがないアル!」


「このままでは消耗戦ですわ!」


 汗に濡れた彼女たちの頬を照らす。

 だがその表情には焦燥が浮かんでいた。


 脱出直後で、体力も魔力も完全に戻っていない。

 呼吸が乱れ、剣を振るたびに足が沈む。


「魔物が多すぎて抑えきれないでござる!」


「くっ…何匹か街に…!」


 たった六人では、多方向から押し寄せる魔物の波をすべて防ぎきれない。


 …


 …


「取りこぼしですかな?」


 低く響く声。


 次の瞬間――ズドンズドン!!!


「グオオオオ!?!?」


 衝撃波が空気を裂き、魔物が宙を舞う。


 ズドーン!!


 現れたのは、執事服に身を包んだ男だった。


「あ…あなたは…ハルバートさん!」


 拳で魔物を粉砕したその人物は、セシリア専属執事――ハルバート。

 老練な瞳に宿る闘気が、戦場の空気を一変させる。


「お嬢様の命令により助太刀に参りました」


 彼の背後には、セシリアの紋章を掲げた旗を持つ騎士たちの姿もあった。

 セシリア自身は他の冒険者に預け、安全を確保したうえで彼らを送り出したのだ。


「それに私だけではありませんよ?」


 新たな援軍の登場が、絶望的な戦場に再び希望の光を差し込ませた――。

「面白かった!」


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