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404/620

404.Gクラスを信じるんだ!

追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!

 ここはイザベラの深層世界。

 視界は真っ暗で、光ひとつ届かない。空気は冷たく、静寂が底なしの穴のように広がっていた。

 床は存在しないかのように見え、浮遊感と孤独が身体を包む。


 イザベラは体育座りをし、肩を丸めて俯いていた。

 薄い光もない空間で、その姿は影に溶け込み、孤独感を増幅させる。


「…私は…人間になりたい…」


 人間でなければGクラスの仲間になれない――

 そう自らに言い聞かせ、縛り付けるイザベラ。


「…そんなに私がイヤ?」


 小さく震える声に反応して、イザベラは顔を上げた。

 その前に、もう一人の自分が立っている。

 ヴァンパイアの力を持つ、自分自身だ。

 瞳に淡い赤い光を宿し、冷たくも柔らかい存在感を放っている。


「あなたは私…私はあなた…ずっと一緒にいたのに離れるの…?」


 ヴァンパイアのイザベラの口元に、わずかに寂しさが滲む。

 その目は、どこか遠くを見つめるように、孤独の影を映していた。


「…あなたは人を襲う魔物の力…その力を持っていたら…私は…みんなの仲間になれない!」


 イザベラはヴァンパイアの力を拒絶している。

 もし力を取り戻せば、クラスメイトを傷つけてしまうかもしれない。

 人間と魔物は、根本的に相容れない存在なのだ。

 ハーフであっても、魔物である自分を受け入れてくれるはずがない――そう思い込んでいた。


「…本当にそうかしら…?」


 ヴァンパイアのイザベラは、静かに、しかし確信を持って問いかける。

 全てを理解した上での挑戦的な言葉。


「私は力でしかない…それを使うのはあなたの意思。あなたが力に呑まれなければ誰も傷つけないわ」


「でも…私は魔物…」


「そのくらいのことで、あなたを仲間外れにする人たちなの?」


 イザベラはその言葉に目をそらす。


「そ…それは…」


 魔物の力があっても、自分を受け入れてくれるかもしれないと、期待してしまう。

 心臓がわずかに早鐘を打つ。


「イザベラ!!!!」


 その瞬間、深い闇を突き破るように、ウェルの声が響いた。


「ウェル先生!?」


 声に反応してイザベラは身を起こす。

 だが姿は見えず、声だけが深層世界を貫いて届く。


「魔物だろうと人間だろうと関係ない!! イザベラはイザベラだ!!! アイツらがそのくらいこと気にするはずがない!!!」


 Gクラスは無能の烙印を押されていたが、仲間を大切にする心は誰よりも強い。

 たまに衝突があっても、その志は揺るがない。


「信じるんだ!! 仲間を!! Gクラスを!!! だからヴァンパイアの魔力を受け入れてくれ!!!」


 ウェルの声は、暗黒の空間を光のように貫く。

 全身を揺さぶる力強さに、イザベラの心の壁が少しずつ溶けていく。


「ウェル先生…わかりました…!」


 イザベラは目の前に立つ自分、自身のヴァンパイアの力を抱きしめる決心をした。

 深層世界で、孤独な影がようやく、静かに光を帯びた。

「面白かった!」


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