404.Gクラスを信じるんだ!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ここはイザベラの深層世界。
視界は真っ暗で、光ひとつ届かない。空気は冷たく、静寂が底なしの穴のように広がっていた。
床は存在しないかのように見え、浮遊感と孤独が身体を包む。
イザベラは体育座りをし、肩を丸めて俯いていた。
薄い光もない空間で、その姿は影に溶け込み、孤独感を増幅させる。
「…私は…人間になりたい…」
人間でなければGクラスの仲間になれない――
そう自らに言い聞かせ、縛り付けるイザベラ。
「…そんなに私がイヤ?」
小さく震える声に反応して、イザベラは顔を上げた。
その前に、もう一人の自分が立っている。
ヴァンパイアの力を持つ、自分自身だ。
瞳に淡い赤い光を宿し、冷たくも柔らかい存在感を放っている。
「あなたは私…私はあなた…ずっと一緒にいたのに離れるの…?」
ヴァンパイアのイザベラの口元に、わずかに寂しさが滲む。
その目は、どこか遠くを見つめるように、孤独の影を映していた。
「…あなたは人を襲う魔物の力…その力を持っていたら…私は…みんなの仲間になれない!」
イザベラはヴァンパイアの力を拒絶している。
もし力を取り戻せば、クラスメイトを傷つけてしまうかもしれない。
人間と魔物は、根本的に相容れない存在なのだ。
ハーフであっても、魔物である自分を受け入れてくれるはずがない――そう思い込んでいた。
「…本当にそうかしら…?」
ヴァンパイアのイザベラは、静かに、しかし確信を持って問いかける。
全てを理解した上での挑戦的な言葉。
「私は力でしかない…それを使うのはあなたの意思。あなたが力に呑まれなければ誰も傷つけないわ」
「でも…私は魔物…」
「そのくらいのことで、あなたを仲間外れにする人たちなの?」
イザベラはその言葉に目をそらす。
「そ…それは…」
魔物の力があっても、自分を受け入れてくれるかもしれないと、期待してしまう。
心臓がわずかに早鐘を打つ。
「イザベラ!!!!」
その瞬間、深い闇を突き破るように、ウェルの声が響いた。
「ウェル先生!?」
声に反応してイザベラは身を起こす。
だが姿は見えず、声だけが深層世界を貫いて届く。
「魔物だろうと人間だろうと関係ない!! イザベラはイザベラだ!!! アイツらがそのくらいこと気にするはずがない!!!」
Gクラスは無能の烙印を押されていたが、仲間を大切にする心は誰よりも強い。
たまに衝突があっても、その志は揺るがない。
「信じるんだ!! 仲間を!! Gクラスを!!! だからヴァンパイアの魔力を受け入れてくれ!!!」
ウェルの声は、暗黒の空間を光のように貫く。
全身を揺さぶる力強さに、イザベラの心の壁が少しずつ溶けていく。
「ウェル先生…わかりました…!」
イザベラは目の前に立つ自分、自身のヴァンパイアの力を抱きしめる決心をした。
深層世界で、孤独な影がようやく、静かに光を帯びた。
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