341.更なる脅威
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
ウェルたちがダンジョンに進んでいる頃。
ズギューン!!!
最強と謳われる闇ギルド【グリムリペア】。
そのNo3、万雷【ドナー・ボルト】が雷光をまとい、空気を裂く勢いでラビリンスへと向かっていた。
だが――。
「ガッハッハッ! 到着!! …ってどこだここは!?」
辺りを見回すが、視界に広がるのは迷路のような森と影ばかり。
どうやら道に迷ってしまったらしい。
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一方、ここはラビリンスで最も大きな屋敷の中。
「セシリア様。どうなさいましたか?」
「爺や…ラビリンスにかつてない厄災が訪れます。しかし、わたくしはどうすればいいかわかりません」
セシリア・オルレアン。
公爵家オルレアン家の令嬢で、白銀の長髪を背中に垂らし、全てを見通すような青い瞳を持つ。
その佇まいは優雅でありながらも、どこか厳粛な空気を漂わせていた。
「また【未来がお視えになった】のですな?」
彼女には未来を視る力がある。
しかしその能力は秘されており、ごく限られた者だけが知る。
「何があろうとも【アリストクラキー】を持つお嬢様は、この老兵、必ずやお守りいたします」
年老いた執事は落ち着いた声でそう言った。
長い年月を経た立ち振る舞いから、ただの老人ではない気品が滲み出ている。
「ありがとうですわ爺や。まずは【厄災の未来を止める希望の光】。ウェル・ベルクに会わなくては…」
そう言うと、セシリアは執事とともに屋敷を後にした。
窓の外では夕暮れの光が淡く差し込み、屋敷の大理石の廊下に長い影を落としている。
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ここは世界最悪のダンジョン【アルゴプリズン】最下層。
「かくまってーーー!!! くれたことーーーー!!!! 感謝するぜぇーーー!!!」
逆立った赤い髪に、顔中に傷を刻んだ男――四肢切りの【リチャード・チェイス】。
危険度S+2ランク。
「人間にしては利用価値があると思ったまでだ。それにラプラスの配下なら無下にはできん」
ヴァンパイア【ブラッド】。
危険度SSランク。
黒いマントが湿った岩床に引きずられ、薄暗い光を反射して妖しく光る。
「おいおーい!? 【様】をつけろ・さ・ま・を!
ラプラス様だ! じゃないと殺しちゃうよー?」
ヘドロまみれの人型の魔物がブラッドに殺意を向ける。
ラプラスの悪魔。
第十二級使徒【アモスデウス】。
危険度SSSランク。
「丁重に断る。私が使えるのは【魔王様】ただ一人だ」
格上のアモスデウスを全く恐れず、ブラッドは静かに宣言する。
背筋をピンと伸ばし、黒い瞳に揺るぎない意志を宿していた。
「お前もそう思うだろう? イザベラ」
その言葉に、奥で体育座りしている少女――【イザベラ】が小さくうなずく。
「…ウェル先生…」
涙を浮かべた瞳が、ウェルに向けられた。
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