34.チャイナ娘VSオーガ
第2部完結まで連続投稿します!
追放ざまぁが読めるのは10.11話と20〜30話です!
危険度Bランクのクエスト。
オーガ討伐に向かうのは俺と、ロリっ子チャイナ娘のリン・テンテン。
洞窟の薄暗い空気に混じる湿った土の匂い、壁から滴る水滴が反射して小さな光の粒を散らす。
しかし、情報ではオーガは1体のはずが、どうやらもう1体いるらしい。
さて、一人一殺するか…。
「ウェルは手を出さないでほしいアル!」
おぉ! オーガを2体同時に倒すというのか!
「それじゃあ任せるよ! 危なくなったら助けるからな!」
多分大丈夫だろうが、念のため。ラーニングを発動できる準備は常に整えておく。
「そうして欲しいネ! アタシの今の実力がどれほど冒険者として通用するか試したいネ!」
まだ俺との戦いでは本気を出していないだろう。冒険者として通用するか、己を試したい…。なんて志の高い子だ!
おっさんは嬉しいぞ!(中身36歳)
洞窟の奥へ進むと、開けた空間に出た。地面は岩と砂が混ざり、壁にはコウモリの影が揺れる。その中央に、2体のオーガが立っていた。
「グオオオオオオ!!!」
俺たちを見つけるやいなや、両腕を振りかざして突進してくる。
ズドーーーーーン!!!!
力任せの拳が飛び、地面を叩きつける衝撃で砂埃が舞う。
しかし、俺とリン・テンテンは軽々と避ける。
「遅い! 遅い! 遅いアル!」
おぉ、身軽だな!
リン・テンテンは【気】を自在に操り、体を翻しているのだろう。
「それじゃそろそろ行くアル!」
リン・テンテンは一瞬でオーガの懐に入り、低く構えた姿勢から膝を軽く曲げる。
「八極気功拳【鉄山靠】」
前足を地面に踏み込み、その力を背中に伝え下方向へ。
オーガの足に体当たり――ズドン!!!
「グオオ!?!?」
オーガの足が不自然な方向に折れ曲がる。
身長400cm以上の巨体に、リン・テンテンは155cm。
倍以上の体格差をものともせず、完全に破壊してしまった。
背後からもう1体のオーガが襲いかかる。
「ぐおおおおおおお!!!」
力任せの拳が振り下ろされる。
「遅いネ!」
リン・テンテンはその拳を小さな手で受け流す。
「八極気功拳は【気】を操るだけじゃないアル。
力の流れを把握して自由自在に操れてこそ真髄アル!」
受け流したオーガの腕を伝い、顔面に掌底打ちを叩き込む。
「これでも食らうアル!」
【気】を最大まで練り上げ――
「八極気功拳【発勁】!!」
ズドン!!!!!!!
オーガの顔面が思い切り凹む。
骨が砕けたのは明白だ。
「グオオオオオオ!!!」
痛みに悶え倒れ込むオーガ。
「トドメアル!」
リン・テンテンが追撃を仕掛けようとした瞬間――
「グオオオオオオ!!!」
「危ない!!」
同じ身長ほどの岩が飛んできた。
ズババババ!!!
俺は二刀流の剣で岩を粉砕、リン・テンテンへの直撃を防ぐ。
足を折られたオーガが投げたのだろう。
「危なかった…」
俺は切り裂いた破片を蹴散らし、リン・テンテンの安全を確認する。
「そのオーガは任せていいか?」
遠回しに確認する俺に、
「任せるアル!」
承諾が返ってきた。
そして俺はラーニングを同時発動。
「ラーニング2つ同時発動!
『ドラゴンクロー』『ファイヤブレス』
合成!『火炎竜爪』!!」
ズバーン!!!!
2つの剣を収め、発動。
リン・テンテンも両手に気を集中。
「八極気功拳『砲滅』!!」
ズドーン!!!!
オーガの顔面を直撃させる。
俺が倒したオーガは身体が燃え、4つに分断される。
リン・テンテンが倒したオーガは頭が吹き飛んでいた。
「な、なんて威力アルか…」
俺の技に驚くリン・テンテン。
「いやいや、テンテンこそ!」
長年の鍛錬で研鑽された力――
それを目の当たりにすると、慢心は許されないと改めて思う。
「…かっこいいこと言うアルね。わかったアル! お前を認めてやるアル!!」
今回のクエストで、親密度はぐっと上がったようだ。
「これからはアタシのことをテンちゃんと呼ぶことを許すアル!」
「え? テンちゃん!?」
テンテンのちゃん付けか…。
悪くない、むしろいい!!
「親しい間柄ならそう呼ばれているアル! お前はアタシのライバルね! これから先、絶対に追い越してやるから覚悟するヨロシ!!!」
イチャイチャ的な恋愛には発展しなさそうだ。
ライバル関係――それも悪くない。
「はっはは。
それじゃあこれからもライバルとしてよろしく、テンちゃん」
「よろしくネ!」
こうして、俺とテンちゃんは危険度Bランクのオーガ討伐を完了した。
ギルドへ素材を持ち帰り換金する段階で、俺はまだ知らなかった――
この後、思わぬ修羅場が待っていることを。
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